研究課題/領域番号 |
23K01115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
坂巻 静佳 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (10571028)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 主権免除 / 国家免除 / 制限免除主義 |
研究開始時の研究の概要 |
制限免除主義に基づく国連国家免除条約が採択されて、絶対免除主義と制限免除主義との対立に一応の決着はついたものの、国家免除に関しては、国家以外のだれが国家免除を享有するのか、国家は不法行為についてどのような場合に免除を享有するのか、国家免除はいかなる管轄権等からの免除を国家に認めるものであるのかといった問題が、未解決のまま残されてきた。本研究では、これらの未解決の論点について検討し、国家免除に関する国際法規則の内容と射程を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
制限免除主義に基づく国連国家免除条約が採択されて、絶対免除主義と制限免除主義との対立に一応の決着はついたものの、国家免除に関しては未解決の論点が残されてきた。本研究の目的は、これらの未解決の論点の検討を通じて、国家免除に関する国際法規則の内容と射程を明らかにし、現在の国家免除制度の解明に寄与することにある。 2024年度は、国家以外の団体等(とりわけ独立した法人格を有する団体)が国家免除を享有するか、享有するとしてその可否を判断する基準は何かについて、とくに民間団体について検討した。検討の結果、国家実行の趨勢としては、主権的な権限を行使しているか又は国の任務若しくは目的を遂行している場合に、民間団体にも裁判権免除を享有する資格を認める実行が蓄積されてきていることが明らかになった。また、雇用に関わり裁判権免除が問題となった2023年の日本の国内裁判例についても分析した。検討の結果、当該判決の判示は国連国家免除条約の解釈と概ね整合するものの、一部疑問が残り、また国家実行との整合性についても一定の留意が必要であることが明らかになった。 本研究は国家免除に関わる未解決の問題に取り組むものであり、理論的には、国家免除に関する先行研究を補完・発展し、現在の国家免除制度の全体像の解明に資する意義を有する。また本研究は、国家免除に関わる国際法規則の内容の明確化を目指すものであり、日々の裁判・行政・執行の実務において、外国国家に対し国家免除を付与するか否かを判断したり、自国政府が免除されるか否かを予測したりする際に役立つものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
経済制裁による国有財産等の凍結・没収と国家免除の関係性についての検討にも、2023年度から着手予定であったが、新型コロナウイルス罹患後に体調不良が継続し、当該論点について着手することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の検討結果を論文として公表することを目指す。また、招待報告との関係で、当初予定では2027年度に実施予定であった不法行為に関わる国家免除規則の内容の検討に着手する。さらに、経済制裁による国有財産等の凍結・没収と国家免除の関係性にも着手し、2025年度の研究成果の公表を目指す。
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