研究課題
基盤研究(C)
医療の場で過誤や説明義務違反があったとされるとき、どのような要件の下でどのような民事責任を医師や病院が負うべきかという問題は、これまでそれぞれの場面について個別に議論されてきた。しかし、例えば委縮医療や医療資源の不適切な配分等の問題を生じさせないためには、医師等が民事責任を負うための要件やその内容を理論的に整理し、医師・患者双方に見通しを良くする必要がある。また、司法の場で実現可能な理論を構築するには、医療政策や社会福祉政策の在り方等をも視野に入れる必要がある。本研究は、これらの必要性を踏まえた医療の場での責任法理を構築することを目的とする。