研究課題/領域番号 |
23K01166
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 敦子 京都大学, 法学研究科, 教授 (50437183)
|
研究分担者 |
コツィオール ガブリエーレ 京都大学, 法学研究科, 教授 (10725302)
瀬戸口 祐基 神戸大学, 法学研究科, 准教授 (20707468)
窪田 充見 神戸大学, 法学研究科, 教授 (60186450)
山本 敬三 京都大学, 法学研究科, 教授 (80191401)
和田 勝行 京都大学, 法学研究科, 教授 (90551490)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 相続 / 相続法改正 / 法定相続 / 遺言 / 信託 |
研究開始時の研究の概要 |
多様なライフスタイルに適応した財産承継・財産処分ルールの構築にあたっては、被相続人らの意思を基調とする個人の自律・権利論アプローチのほか、機能分析アプローチを用いた基礎理論研究が有用である。そこで、本研究では、法解釈・法学方法論のアプローチを探るための基礎理論研究に取り組むことから始め、相続法の役割・意義に関する実践的な基礎理論を提示する。 また、法定相続における当然承継・包括承継などの財産承継ルールの基本的枠組みの根拠と内容を明らかにするため、人格承継理論に関する比較法的研究や、財産法の観点をふまえた検討を行う。
|
研究実績の概要 |
基盤研究期の初年度である2023年度は、研究班A(基礎理論研究班 木村、山本、Koziol、瀬戸口)、B(財産承継ルール研究班 木村、窪田、和田、瀬戸口)を組織し、次のような研究に取り組んだ。 研究班Aでは、相続法の意義・役割に関する基礎理論研究として、遺言の自由等を基礎づける個人の自律に関する権利論や、法と経済学、行動経済学の知見等をふまえた相続法に関する文献研究を行った。また、相続法の意義を明らかにする目的で、生命保険や信託(とくに親族を受託者とした家族信託や遺言代用信託)などの他の財産承継の仕組みに関する検討・分析も行った。研究班Bでは、法定相続を中心に財産承継・処分ルールの基本的枠組みに関する各論的検討として、相続法改正前後における相続法をめぐる議論内容を整理した。そのうえで、法定相続をめぐる問題とその論点を抽出し、法定相続にかかる財産承継のルールの特殊性とその根拠を検討した。 これら研究内容の一部は、研究会で報告し、生命保険会社や弁護士等の実務家とも意見交換をしたほか、書籍や論文にて公表している。 また、2024年3月6日、オーストリアから、Olaf Riss教授(Klagenfurt大学)、 Johannes Werner Flume教授(Salzburg大学)を招へいし、「Zeit und Wert eine Anatomie von Wertsicherungsabreden 時間と価値――価値維持条項の分析」という題目での講演会を開催した。同講演会では、2018年の相続法改正で金銭債権化された遺留分制度を踏まえて、遺留分制度に関するオーストリア法と日本法の比較検討等について、意見交換を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は本研究の初年度にあたるため、基礎理論研究及び財産承継に関する各論的研究のいずれにおいても、従来の議論状況や改正法の分析に重点を置かざるを得ず、その結果、比較法研究に十分に取り組むことができなかった。とくに、機能分析アプローチとして、法と経済学、行動経済学の 知見等をふまえた相続法に関するドイツやアメリカの議論に関する研究、ドイツ及びフランス法との法定相続にかかる財産承継のルールの比較法研究については、取り組みに遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、基盤研究2年目として、2023年度に引き続き、研究班Aでは、相続法の意義・役割に関する基礎理論研究、及び法定相続を中心に財産承継・処分ルールの基本的枠組みに関する各論的検討に取り組む。とくに、初年度に着手できなかった、機能分析アプローチとして、法と経済学、行動経済学の知見等をふまえた相続法に関するドイツやアメリカの議論に関する研究、ドイツ及びフランス法との法定相続にかかる財産承継のルールの比較法研究に重点をおき、国際研究集会を開催するなどして、研究を進めていく予定である。
|