研究課題/領域番号 |
23K01168
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田中 洋 神戸大学, 法学研究科, 教授 (10456767)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 契約不適合 / 救済手段 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,契約上給付された目的物が契約の内容に適合しない場合(目的物の契約不適合の場合)に債権者(買主等)に認められる各種の救済手段について,それぞれの救済手段の趣旨・目的を踏まえて,それらの救済手段が相互にどのような関係に立つのか(各救済手段の優劣関係や重複行使の可否)を明らかにすることを目的とする。わが国における契約不適合に対する各種の救済手段の規律内容を整理・分析するとともに,ドイツ法等の外国法を比較法的な手がかりとして,それらの救済手段の相互関係を分析することにより,上記の問題について,改正民法における解釈・運用の指針を提示することを目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、売買における契約不適合とその救済手段の規律に主たる照準を合わせて、①わが国における売主の契約不適合責任の歴史的形成過程、②売買における目的物の契約不適合の概念、②契約不適合に対する救済手段の優劣関係について、わが国の議論状況を中心に整理・分析を行った。 第1に、わが国において、改正前の売主の瑕疵担保責任が、学説上の議論および民法改正を経て、売主の契約不適合責任へと再編された歴史的過程について、買主の救済手段のあり方に照準を合わせて整理を行った。 第2に、売買における目的物の契約不適合の概念について、改正前民法の瑕疵担保責任における「瑕疵」の概念や判断構造をめぐる判例・学説の議論を調査・分析することにより、改正民法における目的物の契約不適合の概念や判断構造を明らかにするとともに、それが契約解釈に関する諸準則(債権法改正の際に提案された契約解釈に関する準則)とどのような関係に立つかを分析した。 第3に、契約不適合に対する救済手段の優劣関係にかかわるものとして、「履行に代わる損害賠償」および「追完に代わる損害賠償」をめぐるわが国の議論状況(とりわけ、先に公表した「追完に代わる損害賠償」に関する自らの研究成果の公表の後に展開された議論)を調査し、そこで参照されている外国法での状況とともに、議論の動向や問題点の整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に予定していた研究作業は、売買における契約不適合とその救済手段の優劣関係をめぐるわが国の議論状況を確認し、その分析を行うことにあったが、その主要部分については、一定の成果をあげるに至っている。また、その成果の一部については、その公表に向けた準備をすすめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度の研究成果を踏まえて、契約不適合に対する救済手段の優劣関係をめぐるわが国の議論の特徴をより深く分析するとともに、法体系において日本法との類似点と相違点がみられる外国法(ドイツ法やCISG)との比較法的分析を行う予定である。 また、現在、一部の成果については、論文により公表する準備を進めていることから、まずは、その公表を完了することに注力することを予定している。
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