研究課題/領域番号 |
23K01175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
森 まどか 中京大学, 法学部, 教授 (90330414)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | グリーン・ボンド / 社債法 / 社債の管理のあり方 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、わが国において近時活発に起債されている「グリーン・ボンド」をめぐる法的諸問題を明らかにするとともに、それに対する法規制のあり方を検討する。現時点では、海外ですでに問題となっている「グリーン・ウォッシング」(グリーン・ボンドによる手取金の使途が、実際には環境改善効果がないものであること)に着目している。グリーン・ボンド市場に対する投資家の信頼と市場の透明性を確保するために、この問題をいかに解決するべきかは重要な課題であると考える。
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研究実績の概要 |
本研究は、グリーン・ボンドをめぐる法的諸問題を、主に、グリーン・ウォッシングの克服を主眼として検討するものである。具体的には、(1)わが国の社債の管理にかかる法規制(会社法)の枠組みの中で、グリーン・ウォッシングがいかに対処されうるか、(2)グリーン・ウォッシング問題への対応、つまり、グリーン・ボンドの調達資金の使途や、発行体のグリーン資格の充足についての確認を、当事者間の契約にゆだねるべきか、法が強制すべきか、及び強制すべきであるとすればいかなる形式でどの程度まで強制すべきかの2点に主に着目する。 研究初年度である2023年度は、まずは上記2点を検討する前提として(a)グリーン・ボンドの起債状況を適宜確認し、(b)そもそも企業がなぜグリーン・ボンドを発行するのか、その経済的意義を確認することとした。その結果(b)について、いわゆるグリーニアム(greenium)を得ることによる資金調達コストが低くなるとする仮説がみられたが、実証結果については現時点では一義的ではないことがわかった。この点については引き続き研究動向をフォローする必要があると考えている。 上記(1)については、主に社債管理補助者が設置された社債にかかる法定の報告義務(会社法714条の4第4項)の意義と限界について検討を行った。その結果、社債発行会社から社債管理補助者に対する報告がエンフォースされない以上、報告義務自体には限界があることを暫定的な結論とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
グリーン・ボンドを含むESG投資が日本だけでなく国際的にも増加していることに伴い、想像以上にこれに関する研究が進みつつあり、フォローが十分でないため。現時点では、グリーン性の認証者に一定の責任を負わせる方向性を示す解決策を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
新規の研究を適宜フォローするほか、法規制については各国での動向すべてではなく、必要最低限のものに絞り、かつ、検討の視点を区切って検討する。なお、書籍やジャーナルの動向を追うだけでは不十分であるので、米国の大学・研究期間によるウェビナー(ESG投資に関する法的諸問題)を継続的に受講し、最新の状況をフォローする。
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