研究課題/領域番号 |
23K01225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
辻 康夫 北海道大学, 法学研究科, 教授 (20197685)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 多文化主義 / 民族的マイノリティ / 先住民 / 歴史解釈 / 分極化 |
研究開始時の研究の概要 |
民族的・人種的マイノリティの公平な統合をめざす〈平等主義型・多文化主義〉の理論は、今日、〈新自由主義〉〈主流派ナショナリズム〉〈急進的マイノリティ運動〉のビジョンの挑戦を受けている。本研究では、論争の焦点となっている①「市場」が果たす機能の評価、②民主主義を支える「主流派文化」「共通文化」の扱い、③「ネイションの歴史」の解釈、について、正義・平等・民主主義などの諸価値を基礎に、諸国の実践例を参照しつつ適切な方針を検討し〈平等主義型・多文化主義〉の理論の再構成を行う。
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研究実績の概要 |
民族的・人種的マイノリティの公平な統合をめざす〈平等主義型・多文化主義〉の理論は、今日、新自由主義、主流派文化擁護論、急進的マイノリティ運動、のビジョンの挑戦を受け、その弱点を指摘されている。本研究では、正義・平等・民主主義などの諸価値を基礎にしつつ、これらの論争で示された洞察やニーズに応答しつつ、〈平等主義型・多文化主義〉の理論の再構成を行うことを目指している。1年目の2023年度には、第一に、使用する文献のリストを作成し、収集を行うとともに、海外の政策展開についての情報収集をおこなった。第二に、本研究が重点的に検討すべきトピックについて、論点の整理をおこなった。すなわち、ガバナンス(市場・政府・コミュニティの役割)、共通文化・主流派文化・マイノリティ文化の関係、国家・ネイションの公的歴史解釈の研究、のトピックのそれぞれについて、代表的な文献を数点選び、異なるビジョンの間の争点を分析した。この過程で、これらのトピックをめぐる論争をつらぬく理論的な争点として、2つの問題の重要性を認識した。第一は、個人の自由と社会構造の関係をめぐる理解であり、自由な個人が負うべき責任と、正義によって規制される社会の基本構造の切り分けをめぐる問題である。この点をめぐる対立が、上記のトピックをめぐる論争に影響していると考えられる。第二は、歴史的不正義の理解である。この点をめぐっては、諸ビジョンの間の対立が、第一の社会構造の理解と連動する点を認識した。今日、政治理論家アイリス・ヤングの遺作の出版を機に、構造的不正義論の研究が大きく進み、これが歴史的不正義論と連動する学界の動向が存在する。本研究では、この成果を利用しつつ、各トピックにおける論争状況を分析・統合することが有用であるとの知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体として、2023年度に予定した作業に着手し所定の作業を行うことができた。また本研究が重点的に検討すべきトピックについて、論点の整理をおこなうなかから、今後の研究の理論的展望を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
文献収集および諸国の政策展開についての情報収集は引き続き継続して行う。理論的分析としては、2023年度の知見を踏まえて、構造的不正義論、歴史的不正義論についての最新の研究文献を摂取しつつ、これを軸にして、ガバナンス(市場・政府・コミュニティの役割)、共通文化・主流派文化・マイノリティ文化の関係、国家・ネイションの公的歴史解釈の研究、のトピックのそれぞれについて、論争の構造の分析を行う予定である。
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