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脱グローバル化の新しい多元的世界秩序構想、および「日本型」社会構想に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K01232
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分06010:政治学関連
研究機関九州大学

研究代表者

施 光恒  九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (70372753)

研究分担者 柴山 桂太  京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (30335161)
佐藤 慶治  鹿児島女子短期大学, 児童教育学科, 准教授 (10811565)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード新自由主義批判 / グローバル化批判 / アメリカの保守思想 / 日本的経営 / ナショナリズム / 地域の芸能 / 伝統文化と教育 / 沖永良部島 / ポスト・グローバル化 / 日本型市場経済 / 日本型社会構想 / 社会民主主義 / リベラル・ナショナリズム / グローバリズム批判
研究開始時の研究の概要

本研究では、ポスト・グローバル化時代の日本の国づくりの指針となる「新しい日本型」の社会構想を、政治学や経済学、文化研究の観点から描き出すことを目指す。
その際、各国で1990年代以降に本格化し現在まで続く新自由主義に基づくグローバル化の推進の結果として構築されてきた国際政治経済秩序の変革を行う必要がある。そうしなければ各国の政策的自律性が発揮できないからである。
それゆえ、本研究では、各国型の国づくりを許容するポスト・グローバル化の多元的国際秩序のあり方を検討し、そこにおける新しい日本型システムをどう描き出すか考察していく。

研究実績の概要

今年度(2024年度)は主に個人研究を行った。また、年度末の2025年3月20日(木、祝)に共同で研究会を実施し、それぞれの研究成果の共有を図った。
まず、個人研究の内容について。研究代表者の施は、(1)日本における新自由主義的改革、特に1990年代半ばからの規制緩和の過程、および背景にあった思想についての検討、(2)「国際化」と「グローバル化」の概念的区別の上に立ったポスト・グローバル化の世界秩序のあり方に関する考察、(3)米国におけるポスト新自由主義の思想と目される「新しい保守」(改革保守、「リフォーモコン」)の検討などを行った。
研究分担者の柴山は、グローバル化の中での日本的経営の見直しについての執筆やインタビュー調査、およびグローバル化とナショナリズムについての書籍の翻訳などを進めた。それらは2025年度に出版される予定である。
佐藤は、担当の文化学分野において、主に①鹿児島県沖永良部島の学校教育における伝統芸能・伝統文化教育についてのインタビュー調査や、②家庭や保育施設における年中行事の実施状況調査を行った。①については沖永良部内の小学校カリキュラムにまで組み込まれている伝統芸能・伝統文化教育の大部分が、地域人材によって運営されていること、②については現在、家庭で実施されなくなった種々の年中行事が、保育施設で実施されることによってのみ子ども世代へ受け継がれていることなどが明らかとなっている。また、2024年度から2025年度にかけて児童生徒が中心となった南九州地域の祭り文化の調査を実施しており、これまでに4件程度のフィールドワークやインタビューを実施できている。これについては山陰地方の祭り文化等との比較分析を行う形で、2025年度に論文化の予定である。
これら個人研究の結果を2025年3月20日(木)に九州大学西新プラザにおいて研究会を持ち、お互いに共有した。

現在までの達成度
現在までの達成度

3: やや遅れている

理由

個々人の研究については、2024年度は相応の進展を見た。
施は、1990年代以降の主に都市計画における規制緩和の事例を見ていくことにより、その背景にあった政治的議論や思想を論文のかたちでまとめることができた。また、「国際化」と「グローバル化」との区別に基づくポストグローバル化の世界秩序のあり方について、学会発表や学術論文、あるいは一般向けの論説のなかで論じることができた。柴山は、日本型経営の現代における見直しの動向について、いくつかの論文や論説を執筆し、また関係者にインタビューを行うことが予定通りできた。佐藤は、上記の「研究実績の概要」に記した通り、調査やインタビューをほぼ順調に進めることができた。
ただ、全員にある程度当てはまるが、今年度はインプットに重点を比較的割いたため、アウトプットが来年度に持ち越しになったものが多い。例えば、施は研究に関わる重要な英語文献の翻訳を進めている。当初は、2024年度中の出版を予定しており、その文献に関わる他の研究者との討論なども想定していたが、出版は来年度となってしまった。また、三者が集まる共同の研究会を2~3回開催することを予定していたのだが、それぞれが多忙のため、予定が合わず、想定したとおりには開催できなかった。シンポジウムに関しても一度中間的なものを開催しようと考えていたが、調整がつかなかった。
2025年度は、2024年度の反省に立ち、共同の研究会やシンポジウムなど予定通りに開催していきたい。

今後の研究の推進方策

最終年度に当たる2025年度の大きな目標としては、一つは、ポスト・グローバル化の世界秩序の像、およびその下での新しい日本型モデルの方向性を描き出す作業をそれぞれ行い、またともに議論し、その成果を一冊の書籍にまとめたい。
昨年(2024年)の米大統領選挙でトランプ大統領が勝利し、2025年1月には第二次トランプ政権が誕生した。これにともなって、脱・新自由主義グローバリズムの思想が米国の一部でさかんに提起され、論じられるようになってきた。こうした動向を追いつつ、新しい世界経済秩序はどのようになるか、またそのなかでの日本型モデルはどうなるかについて、政治思想・哲学の側面から(主に施)、また経済学や経済思想の側面から(主に柴山)、文化論や教育の側面から(主に佐藤)、それぞれ考えていきたい。加えて、新自由主義以後の秩序における中間団体のあり方について検討を加えていきたい。
また、もう一つの目標としては、2回のシンポジウムを開催したい。1回目のシンポジウムでは、日本の幼児教育や初等教育について長年研究してきた米国の教育学者、ならびに日本的な経営や組織論について研究してきた内外の研究者などを招き、新しい日本モデルの可能性について検討したい。加えて、2回目のシンポジウム(最終シンポ)を開催し、本研究の成果を報告し、皆で議論したい。

報告書

(2件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (22件)

すべて 2025 2024 2023

すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 自由民主主義におけるネイションの再評価の必要性2025

    • 著者名/発表者名
      施 光恒
    • 雑誌名

      学術一新

      巻: 1 ページ: 92-115

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 世界経済の破壊か再生か : トランプ2・0の分岐点2025

    • 著者名/発表者名
      柴山桂太
    • 雑誌名

      表現者クライテリオン

      巻: 41 ページ: 192-197

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 鹿児島の遠隔地における教育文化に関する研究 グローバルな教育潮流とローカルな価値観の橋渡しを目指して2025

    • 著者名/発表者名
      内田豊海, 佐藤慶治
    • 雑誌名

      南九州地域科学研究所所報 / 鹿児島女子短期大学附属南九州地域科学研究所

      巻: 41 ページ: 9-14

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 規制緩和をめぐる建設的な議論の場を作るために : 政治哲学的考察2024

    • 著者名/発表者名
      施 光恒
    • 雑誌名

      都市計画 = City planning review / 日本都市計画学会 編

      巻: 73 (6) ページ: 16-19

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 草の根保守からの移民国家反対論2024

    • 著者名/発表者名
      施 光恒
    • 雑誌名

      月刊ウイル

      巻: 236 ページ: 64-72

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 国土計画と産業政策 : 戦後体制の最良の部分を蘇らせよ2024

    • 著者名/発表者名
      柴山桂太
    • 雑誌名

      表現者クライテリオン

      巻: 35 ページ: 48-55

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 論拠なき移民国家化を憂う2023

    • 著者名/発表者名
      施 光恒
    • 雑誌名

      表現者クライテリオン 2023年9月号

      巻: 32 ページ: 83-89

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「国際化」から考える移民受け入れ2023

    • 著者名/発表者名
      施 光恒
    • 雑誌名

      Voice 2023年10月号

      巻: 550 ページ: 74-81

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 保守とは何か : デービッド・アトキンソン氏への反論2023

    • 著者名/発表者名
      施 光恒
    • 雑誌名

      Will : マンスリーウイル 2023年12月号

      巻: 228 ページ: 74-81

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「米中対立は「新しい冷戦」ではない」2023

    • 著者名/発表者名
      柴山桂太
    • 雑誌名

      表現者クライテリオン

      巻: 33 ページ: 189-195

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「債務国家とインフレの政治学」2023

    • 著者名/発表者名
      柴山桂太
    • 雑誌名

      表現者クライテリオン

      巻: 32 ページ: 76-82

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「グローバル化」と「国際化」の概念的区別の必要性――社会調査と教科書記述の分析に基づいて――2024

    • 著者名/発表者名
      施 光恒、水上栄一
    • 学会等名
      日本公民教育学会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] ナショナリティ、自由民主主義、グローバル化 ――政治学の観点から――2024

    • 著者名/発表者名
      施 光恒
    • 学会等名
      日本音楽教育学会(共同企画Ⅷ ラウンドテーブル 「音楽科教育とナショナル・アイデンティティの形成 ―多文化共生を視野にいれて― 」)
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本の保育文化・子ども文化における年中行事の表象に関する分析    丸田愛子, 佐藤慶治2024

    • 著者名/発表者名
      丸田愛子、佐藤慶治
    • 学会等名
      東アジア日本研究者協議会 第8回国際学術大会 2024年11月
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] グローバル化時代の複合危機2024

    • 著者名/発表者名
      柴山桂太
    • 学会等名
      京都大学連続講座「レジリエンスー人間と社会の強靱性を考える」、2024年9月21日)
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 「グローバル化」と「国際化」の区別の 必要性とその社会的意義2024

    • 著者名/発表者名
      施 光恒
    • 学会等名
      東アジア言語社会文化研究会(於・上海外国語大学)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] NHK「みんなのうた」の源流についての比較研究2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤慶治
    • 学会等名
      第36回日本比較文化学会九州支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 1950-60 年代の「新しいこどもの歌」 楽曲の流布に関する比較研究2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤慶治
    • 学会等名
      2023年度関西・中国四国・九州三支部合同研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 戦後日本の「こどものうた」歌詞制作に関する考察 (「ニューノーマル時代の日本語教育と日本研究」)2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤慶治
    • 学会等名
      2023年応用日本語国際シンポジュウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ポスト新自由主義と国家の再生(報告と討議)2023

    • 著者名/発表者名
      柴山桂太
    • 学会等名
      「ポスト新自由主義と国家の再生」京都大学シンポジウム(報告者は、ビル・ミッチェル、藤井聡、柴山桂太、中山千香子、鈴木正徳)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 知の悦び ー総合文化学の確立へー (担当:分担執筆, 範囲:日本の「こどものうた」における翻訳についての考察一「こどものうた」とは何か一 (117-138頁))2025

    • 著者名/発表者名
      荒木正見
    • 総ページ数
      199
    • 出版者
      中川書店
    • ISBN
      9784909576149
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [図書] すばらしい未来に向けた環境予想(第3章、第3節として施 光恒「新自由主義に基づくグローバル化の先にある世界――「国際化」への目標転換を!」(109-118頁)を執筆)2023

    • 著者名/発表者名
      水野勝之、土居拓務
    • 総ページ数
      326
    • 出版者
      創成社
    • ISBN
      9784794432452
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2025-12-26  

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