研究課題
基盤研究(C)
本研究では、1970年代以降のイデオロギー系シンクタンク台頭の要因の一つに、議会と特定イデオロギー勢力の相互作用に着目する。これまで、アメリカにおいてシンクタンクが高度に発達している要因として、財団などの豊富な資金源の存在とともに、官僚制における政治任用制の影響が強調されてきた。こうした見方に対して、本研究では、1970年代に入り「強い議会の復活」を目指し専門知識への需要が増大した議会側の事情と、議会での足場の確保を優先させた保守派の事情から、両者が接近したことで、保守系シンクタンクの発達が促され、その後保守派に刺激を受ける形でリベラル系シンクタンクも増大するに至ったことを明らかにする。