研究課題/領域番号 |
23K01241
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
宮田 智之 帝京大学, 法学部, 教授 (00596843)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | アメリカ政治 / シンクタンク / イデオロギー的分極化 / 保守 / リベラル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、1970年代以降のイデオロギー系シンクタンク台頭の要因の一つに、議会と特定イデオロギー勢力の相互作用に着目する。これまで、アメリカにおいてシンクタンクが高度に発達している要因として、財団などの豊富な資金源の存在とともに、官僚制における政治任用制の影響が強調されてきた。こうした見方に対して、本研究では、1970年代に入り「強い議会の復活」を目指し専門知識への需要が増大した議会側の事情と、議会での足場の確保を優先させた保守派の事情から、両者が接近したことで、保守系シンクタンクの発達が促され、その後保守派に刺激を受ける形でリベラル系シンクタンクも増大するに至ったことを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
アメリカにおけるシンクタンクの発達要因について、これまで既存の研究では財団などの豊富な資金源の存在と並んで、官僚制における政治任用制の影響が強調されてきた。これに対して、本研究は1970年代を境とする議会と特定イデオロギー勢力の相互作用に着目する。すなわち、1970年代に入り専門的知識への需要が一層増した議会内の事情と、巻き返しを図る保守勢力の政治的事情から両者が接近したことが一因となり、保守系シンクタンクの発達が促されるとともに、やがて保守派の動向に刺激を受けたリベラル系シンクタンクも同様の構図のもとで成長を遂げた可能性がある。そこで、本研究ではこうした議会と特定イデオロギー勢力の相互作用の活発化を明らかにするため、具体的に①政策立案とイデオロギー系シンクタンク研究員の関係、②イデオロギー系シンクタンク研究員の議会公聴会における証言回数、③議会とイデオロギー系シンクタンク間の人材の流れ、以上を分析する。 1年目となる2023年度では、保守派の動向に焦点を当てながら、主に①の政策立案との関係について分析を行った。データベースなどを活用して基礎的資料の収集を行ったほか、現地アメリカでの調査を実施した。現地調査では、議会図書館に所蔵されているシンクタンク関係者の一次資料を閲覧入手するとともに、シンクタンクの発達に精通している実務家らへの聞き取り調査を行った。これら調査を通じて、本研究の遂行において極めて有益な情報を入手することができ、その成果の一部はアメリカ政治の専門家が集まる研究会において発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目となる2023年度では、政策立案とイデオロギー系シンクタンク研究員の関係について、保守系シンクタンクが議会共和党との関係強化を積極的に試みていたことを示す事例を数多く把握することができた。具体的には、1970年代に入り相次いで誕生した保守系シンクタンクが会合等の開催を通じて共和党議員やその補佐官とのネットワーク作りを活発に展開することで、政策立案に影響力を及ぼそうとしていた実態を知ることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
2年目となる2024年度では、引き続き基礎的資料の収集や現地調査を実施する。引き続き保守派の動向に焦点を当てながら、イデオロギー系シンクタンク研究員の議会公聴会における証言回数や、議会・イデオロギー系シンクタンク間の人材の流れについて集中的に調査する。同時に、学会や研究会の場において中間報告を行い、さまざまな批判や助言を受けることで、最終年度となる3年目に向けて研究の一層の精緻化を図っていく。
|