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初期近代ブリテンを中心とした「統治のアート」の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K01252
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分06010:政治学関連
研究機関九州大学

研究代表者

木村 俊道  九州大学, 法学研究院, 教授 (80305408)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード統治 / アート / 初期近代 / ブリテン
研究開始時の研究の概要

本研究は、「統治のアート」という観点から、初期近代ブリテンを中心とした政治思想史の見直しを行い、デモクラシーや自由、あるいは共和主義をめぐる議論や、ホッブズやロックに代表される社会契約論とは異なる、「ブリテン」という複合国家の統治を可能にした(あるいはそれに失敗した)、古典古代を模範とした人文主義的な「統治の技術」論の系譜や「政治的な教養」をめぐる知的伝統を明らかにする。

研究実績の概要

本研究では、西洋政治思想史における統治のアートの伝統を、初期近代のブリテンを中心に明らかにすることを目的としている。
当該年度では、そのための前提作業として、古代ギリシアから近代に至る西洋政治思想の「通史」の枠組みや「政治思想」の理解の見直しを行った。その際に、ケンブリッジ学派やフーコーなどに代表される系譜学、ガーダマーなどに代表される解釈学・実践哲学の成果に加え、レイモンド・ゴイスらによるリアリズムの展開やチャールズ・テイラーの「社会的想像」論などを含むその後の方法論の展開に改めて着目し、批判的な検討を行った。
これらの作業の結果、西洋政治思想の「物語」を、デモクラシーや自由といった「普遍」的な価値や「現代」の観点から合理的に再構成するのではなく、歴史の「文脈」に沿って語り直すための方法論的な視角が整えられた。また、これまでの在来型の「通史」が対象としてきた規範的な政治哲学や体系的な政治理論だけでなく、「政治思想」の理解を拡げ、政治や統治の具体的な実践に関わる「教養」や「アート」の伝統に目を向け、それらを政治思想の文脈のなかに組み込むことが可能になった。
当該年度においてはまた、以上のような新たな方法や視角を踏まえ、西洋政治思想の歴史を改めて通観し、大学の講義で用いる教材を作成した。そこでは、古典古代以来の「統治のアート」の伝統に関連して、アリストテレスに由来する実践学や政治的思慮、イソクラテスやキケロに代表される教養としてのレトリック、リウィウスやタキトゥスなどによる歴史書の系譜の重要性などが強調されることとなった。
このような観点からはさらに、「近代」の政治思想のリヴィジョンがもたらされる。次年度以降は、ルネサンス期以降の歴史を「近代」ではなく、「初期近代」(「近世」)として捉え直したうえで、ブリテンの統治を可能にした「アート」の諸相を探ることが課題となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該年度においては、大学における講義用の教材作成・執筆という作業が重なり、「統治のアート」という本研究課題だけでなく、それ以外を含めた、古代から近代にかけての西洋政治思想史の全体像を改めて見直すことに多くの時間を取られたため。

今後の研究の推進方策

西洋政治思想史の全体像を見直す作業を経て、今後は初期近代ブリテンへと対象を絞り込み、本研究課題を順次遂行する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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