研究課題/領域番号 |
23K01260
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
木部 尚志 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10310327)
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研究分担者 |
苅部 直 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00261941)
宇野 重規 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (00292657)
千野 貴裕 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (00732637)
梅田 百合香 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (20424947)
高田 宏史 岡山大学, 教育学域, 准教授 (20513469)
川瀬 貴也 京都府立大学, 文学部, 教授 (30347439)
高山 裕二 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (90453969)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 政治 / 宗教 / ナショナリズム / 世俗化 / 政治思想 / 政治と宗教 / リベラリズム / 世俗主義 / 近代 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「宗教の復興」、ファンダメンタリズムの興隆、宗教的ナショナリズムの台頭、移民の増加による宗教的多様化といった世界的な状況を背景にして重要性を増しつつある〈政治と宗教〉の関係に焦点を当てて、宗教的多様性を重視する現代的条件のもとで世俗主義の政治原理を改めて批判的に吟味し、それによってリベラリズムの再定位を企図するものである。とりわけ世俗主義とナショナリズムという2つの観点から、この課題に取り組む。
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研究実績の概要 |
本年度は、研究プロジェクトを①個々のメンバーによる研究遂行と②研究会の開催という2つの方法で推進した。とりわけ②についていえば、2023年11月27日に開催し、2人のメンバーによる発表とこれに続く質疑応答をおこなった(苅部直「南原繁と日本の「神道」」、高田宏史「翻訳と世俗主義」)。研究の初年度であったが、十分な成果を生むことができた。主要な成果となるのは、木部尚志の“The Shackles of Universal History and the Road Not Taken” (Journal of Social and Political Philosophy, 2023)、同上“Multiple Dialogues over Modernity” (Modernities in Northeast Asia, Routledge, 2024)、苅部直『小林秀雄の謎を解く』(新潮社、2023年)、苅部直と梅田百合香の『宗教・抗争・政治』(千倉書房、2023年)、宇野重規の『実験の民主主義』(中央公論新社、2023年)、同上『政治哲学者は何を考えているのか?』(勁草書房、2024年)、宇野重規と高山裕二の『フランス知と戦後日本』(白水社、2024年)、髙山裕二の『政治思想と啓蒙』(ナカニシヤ書店、2023年)、川瀬貴也の「近代日韓のこじれた歴史と統一教会問題」(島薗進編『これだけは知っておきたい統一教会問題』東洋経済新報社、2023年)、同上 「〈迷信〉 再考趣旨」(『韓国朝鮮の文化と社会』2023年)、千野貴裕の“Book Review: Antonio Gramsci: an intellectual biography, by Gianni Fresu" (History of European Ideas,2024)である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は研究プロジェクトの初年度にあたり、研究計画の中心は①個々のメンバーによる研究遂行と②研究会の開催という2つの柱から構成された。①の目的は、個々のメンバーがそれぞれの研究課題を遂行し、とりわけ研究上重要な文献を渉猟しつつ吟味し、テーマを掘り下げることにあった。この課題はおおむね首尾よく遂行されたといえる。②についても、活発な議論を通して、研究プロジェクトの共通テーマである「宗教とナショナリズム」の問題をさらに明確にすることつながった。本年度の研究成果は、各メンバーの研究遂行が順調に進んでいることを示すのみならず、また研究意欲の高さを反映していると考えられ、研究プロジェクトの第2年度における研究の進展を期待させるものであると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究を推進するにあたって、これまでの2つの柱(①個々のメンバーによる研究遂行と②研究会の開催)をさらに進展させつつ、新たな柱を2つ加えることが計画されている。第1に、来年度に開催される世界政治学会で本研究プロジェクトの成果をパネル発表によって海外に発信するために、パネル公募の準備を進める。第2には、海外の研究者を招聘して研究会を開き、集中的な議論をおこなうことで、個々のメンバーの研究をさらに進展させる機会を作るとともに、先述の国際的な学会でのパネル発表に向けての準備も行う。
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