| 研究課題/領域番号 |
23K01291
|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
|
| 研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
笹岡 雄一 明治大学, ガバナンス研究科, 専任教授 (40397104)
|
| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
| キーワード | 一帯一路 / コネクティビティ / 運輸インフラ / 政府開発援助 / 政府開発資金(ODF) / 自由で開かれたインド太平洋 / アフリカ / アジア / 中国 / 東アフリカ / 東南アジア / 援助と投資 / 債務問題 / 経済回廊 / 経済インフラ |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、東アフリカと東南アジアののリージョナル・ガバナンスの動向と国境やその周辺地帯の機能との関係を比較して調査する。リージョナル・ガバナンスの変容が国境の機能にどのような影響を与えているのか、両者の相互連関を分析し、地域統合の将来的な方向性を探求する。分析対象としては、ITが交易・出稼ぎに与える影響、FTA、経済回廊、外国投資・援助、密輸や人身売買といった非国家的行為体[NSA])が主な対象となる。特にマレイシアとケニアを取り上げ、両国と周囲のリージョンの関係の比較を行う。主要援助・投資国の動向を追いながら、同時に投資受け入れ国の内政との関係についても分析も進めたい。
|
| 研究実績の概要 |
アフリカ、アジアにおける途上国のコネクティビティの現況を把握し、今後の課題や問題点を政治学的な視点から分析する研究である。ほかの科研費や大学の研究費も含めて今までマレイシア、カンボジア、エチオピア、ケニア、エジプト、ナイジェリアに行って中国の一帯一路(BRI)の現状は把握してきた。2024年度はフィールド・サーベイの結果をまとめて、幾つかのペーパーを書いてみた。ただし、まだこれからサーベイを行う可能性のある国はあると思われる。 中国の一帯一路は、その投資・援助の目的が「債務の罠」と言われたときもあったが、筆者が観察した結果思うのは国内の過剰供給政策が最も大きな政策決定の動機になっているということである。そのため被投資国でのプロジェクトの事前調査、特に需要予測や内部収益率の推定が十分に行われず、その結果途上国が実施したプロジェクトの経営状態が芳しくないものになる可能性があること、プロジェクトの収益性が低いことで、借り入れたローンの返済によって累積債務が形成されている国があること、被投資国のガバナンスや環境についても十分な配慮を行っているとはいえないことが問題となっている。 特に問題が大きいのは鉄道案件であり、ケニアとエチオピアージプチの鉄道は大幅な赤字であり、国庫の制約になっている。ほかにもマレイシアで鉄道は建設中であり、エジプトでも近郊のライト・レールが建設されていた。これらの案件が今後どうなるのかもBRIの大きなテーマであると思われる。 個々のプロジェクトについてはウィリアム・メアリー大学のAID DATAなどで叙述されてきたのである程度の作業で止め、今後はより大きな中国の外交政策のコンテキストのなかでBRIを捉えると共に、対抗する米国や欧日などの外交政策などとの関係についても分析を深めていきたいと思っている。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ほかの科研費や大学の研究費も含めて今までマレイシア、カンボジア、エチオピア、ケニア、エジプト、ナイジェリアに行って中国の一帯一路(BRI)の現状を把握してきた。2024年度はフィールド・サーベイを一通り実施し終わり、幾つかのペーパーに暫定的な分析結果を記している。これまでは開発プロジェクトの分析が中心であり、国際開発論的な見地であったが、これからはよりマクロの視点で外交政策の関係を中心に分析することになる。
|
| 今後の研究の推進方策 |
これからは外交政策として一帯一路とそれに対抗する自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の関係を中心に分析することになる。しかし、分析が難しい時期に入っている。中国の経済低迷とBRIの支出状況の変化が先ずあり、次にトランプ政権のFOIPに対するアプローチの変化の有無が問われている。これらの不確実性に加えて、グローバル・サウスの国々の外交や国際関係についても分析する必要がある。 今年度は、BRIが実施されている国、たとえばトルコなどに行ってみたいとも考えているが、インド洋が分析の中心になると考えられる。インドの研究者の知己が出来たことも追い風になっている。インド洋を中心としたインドと中国の海洋戦略の対立、せめぎあいと日本の援助を含む外交戦略との関係についてコネクティビティの形成の観点と地政学・外交戦略の観点から分析を進めてみたいと考えている。対象は港湾、海路、アクセス道路、鉄道などのインフラ建設の進捗と海洋軍事力の関係になるだろう。 また、FOIPやBRICSなどの国際的な協調フレームワークの展開も別の課題となるが、上述したように米国の方が一国主義の外交に転換してきていてそちらの方は目立った動きがないかもしれない。本当はそちらの分析をメインに行う予定であったが、現在はサブになりそうである。
|