研究課題/領域番号 |
23K01303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾山 大輔 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00436742)
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研究分担者 |
高橋 悟 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (70972967)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | incomplete information / information design / higher order belief / supermodular game / 情報設計 / 不完備情報 / 情報頑健性 / ゲーム理論 / 制度設計 |
研究開始時の研究の概要 |
社会は多くの意思決定主体から構成され,それらの行動は互いに影響しあっている.そのような戦略的相互依存関係において,どのような行動パターンが均衡として実現するかは,直接的な利得構造のみならず,不確実性に関する情報構造にも依存する.社会にとって望ましい行動を主体たちにとらせるべく誘導するには,彼らにどのような情報構造と利得構造を与えればよいであろうか.本研究はこの問いに答えを与えるために,これまでの不完備情報ゲームと情報設計の理論についての研究を深化させ,その応用範囲を広げるべく発展させることを目指すものである.
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研究実績の概要 |
複数主体の戦略的相互依存関係においてどのような行動パターンが均衡として実現するかは,直接的な利得構造のみならず,不確実性に関する情報構造にも依存する.社会にとって望ましい行動を主体たちにとらせるべく誘導するには,彼らにどのような情報構造と利得構造を与えればよいであろうか.本研究はこの問いに答えを与えるために,過去の科研費課題で行ってきた不完備情報ゲームと情報設計の理論についての研究を深化させ,その応用範囲を広げるべく発展させることを目的とするものである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前科研費課題で行ってきた情報設計問題についての理論研究の論文を改訂・再投稿し,Econometrica誌に受理された.情報設計問題とは,何らかの目的関数に照らし合わせて望ましい帰結を得るために,行動主体たちに対してどのような情報構造を与えればよいか,を問うものである.具体的には,具体的には2戦略優モジュラーゲームにおける最小均衡遂行および全遂行の問題を考え,最小均衡遂行可能性は「列従順性」と呼ぶ性質によって特徴付けられ,全遂行可能性は「列従順性」と「逆列従順性」によって特徴付けられることを示した. 上記研究の発展研究として,「グローバルゲーム」と呼ばれるクラスの不完備情報ゲームを情報設計として解釈して分析することを試みた.2戦略の範囲で,何らかのノイズ構造の下でのグローバルゲームの均衡は「列従順性」と「逆列従順性」で特徴付けられ,また,ノイズ構造に依らない均衡は「列従順性」と「逆列従順性」を満たす唯一の均衡であることを示した.
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今後の研究の推進方策 |
上記の研究は2戦略のケースに限ったものとであった.その分析を多戦略のケースにも拡張していく.また,さまざまな制約条件の下での貨幣支払い付きの情報設計問題を考察する.
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