研究実績の概要 |
社会的アイデンティティの観点から所得再分配政策と経済発展の関係を理論的に分析した論文(Yuki, Kazuhiro "Social Identity, Redistribution, and Development," mimeo.)を執筆し、査読付き国際学会(2023 Asian Meeting of the Econometric Society in East and Southeast Asia)で報告した。先行研究との大きな違いは、人的資本投資により経済的階級の人口構成が時間的に変化していく動学モデルを用いて、アイデンティティ、再分配政策、人的資本投資、経済発展の間の関係を分析している点にある。 また、同じく社会的アイデンティティの観点から所得再分配政策、文化の変容、経済発展の間の関係についての理論分析を進め、草稿をまとめた(Yuki, Kazuhiro "Cultural Difference, Social Identity, and Redistribution," mimeo.)。上記論文との大きな違いは、多数派民族と少数派民族の間の所得再分配を扱っていること、内生的に決定される文化が個人の属性の一つとなっていること、そして文化の変容とアイデンティティ及び再分配政策が相互作用する点にある。そして、人的資本蓄積による経済的階級の人口構成や民族間の所得格差の時間的変化だけでなく、各民族の文化の変容についても分析している。 さらに、広義の文化の一つである言語について、多言語社会におけるバイリンガル教育のスキルと所得への影響を理論的に分析した研究("Language education and economic outcomes in a bilingual society")を国際的査読誌に投稿し、改訂要求があったため、修正の上再投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
社会的アイデンティティの観点から所得再分配政策と経済発展の関係を理論的に分析した論文("Social Identity, Redistribution, and Development")は2024年度の早い時期に査読付き国際誌に投稿する。 社会的アイデンティティの観点から所得再分配政策、広義の文化の変容、経済発展の関係を理論的に分析した論文("Cultural Difference, Social Identity, and Redistribution" )は2024年度に査読付き国際学会で発表し、修正を重ねる。 さらに、文化変容と経済発展との関係については別の角度からも研究を進める。
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