研究課題/領域番号 |
23K01327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07020:経済学説および経済思想関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
笠井 高人 同志社大学, 経済学部, 准教授 (90755422)
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研究分担者 |
迫田 さやか 同志社大学, 経済学部, 准教授 (30780754)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 社会保障・所得分配政策 / 医療保険制度 / 官庁エコノミスト / 経済思想史 / 所得分配・社会保障政策 / キャリアパス / 人的ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新自由主義が興隆した1970年代以降における日本の所得再分配・社会保障政策の形成過程について、関係省庁の官僚が学生時代に学んだ内容や、省庁でのキャリアパスなどを通じて形成された人的ネットワークからの影響を、経済学史的な質的アプローチおよび計量経済学的な数量的アプローチを持って明らかにする。また、これらをもとに、実施された政策の背景にある思想の波及プロセスを明らかにする。その結果、今後の所得再分配政策や社会保障政策の策定プロセスについて歴史相対的な示唆を得るとともに、官僚のキャリアや人的ネットワーク形成の重要性を示し、それを推進する根拠を提供できる。
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研究実績の概要 |
1970年代以降に実施された所得再分配政策や社会保障政策と、政策策定に関わった官僚の学習内容やキャリアパスとの関連について分析を行い、これまで明示化されてこなかった政策の時代性と官庁エコノミストの重要性を明らかにし、今後の所得再分配政策や社会保障政策の策定プロセスについて歴史相対的な示唆を得るという研究テーマを念頭に、本年度は研究の基盤を固めるべく、基礎資料の収集を最優先し、当該テーマの大方の資料を網羅的に入手することに注力した。1980年代まで活躍した厚生労働省の官僚を対象に、当該人物の著作および関連資料の探索および取集をおこなった。比較的最近の時代であるものの、これまであまり着目されてこなかった人物であり、かつ電子化されていない時期のため、調査には相当な時間を費やした。100を超える文献の存在を明らかにし、その一覧を作成したが、それだけでも高い資料的価値があると思われる。 官僚のキャリアパスや人的ネットワークが所得再分配・社会保障といった福祉にどのようにこれまで貢献したのかを評価することについては、人的ネットワークの解明を先行して行った。とりわけ、今年度に着目した医療保険制の基礎を作った人物だけでなく、同時代に年金保険制度を作った官僚との関係は着目に値する。 一部ではあるが、資料の意味解釈および時代との関連性を考察した。その一端は、日本経済思想史学会の関東部会で報告している。詳細については『日本経済思想史研究』に掲載の部会報告を参照のこと。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調書想定していたよりも多量の資料が存在することが判明し、資料収集には時間を要したが、ほぼ網羅的に収集できたため、おおむね順調に研究は進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度に入手した資料の読解をし、政策形成のバックグラウンドを解明を行う。申請時の推進方策から大きく異ならない。
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