オークションの実証研究では、入札額から入札者の評価額 (財に対して最大限支払ってよい金額) の分布を推定することが目標になる。現在主流の方法はカーネル密度推定を2度繰り返して評価額の分布をノンパラメトリックに推定する方法である。しかしながら、ノンパラメトリック法には共変量の種類が増えるにしたがって急速に推定精度が悪くなる欠点 (次元の呪い) があり、実証研究においてしばしば問題視される。 ノンパラメトリック推定の抱える次元の呪いを回避する手段として様々な分野でセミパラメトリック法が提案されている。本研究課題ではオークションの構造推定の文脈におけるセミパラメトリック推定法を開発する。
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