研究課題/領域番号 |
23K01338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07030:経済統計関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
高橋 慎 法政大学, 経営学部, 教授 (20723852)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 市場クオリティ / 高頻度注文板データ / 価格インパクト / 日内変動 / ベイズ推定 |
研究開始時の研究の概要 |
金融市場が適正に機能する程度を表す市場クオリティを適切に評価することは、経済発展の基礎を担う市場の機能を監視するという意味でも重要である。本研究では、高頻度注文板データを用いて、市場クオリティ、特に価格インパクトの変動特性を分析する。第一に、最近提案された推定手法を用いて、価格インパクトの時間を通じた変動を推定し、その日内変動を分析する。また、価格インパクトと他の市場クオリティ指標との関係を検証する。第二に、マクロ統計などの公的情報の発表が市場クオリティに与える影響を分析する。特に、中央銀行の発表前後で市場クオリティに顕著な変化があるかを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、金融市場が適正に機能する程度を表す市場クオリティを適切に評価することの重要性に焦点を当てている。市場の機能を監視し、経済発展の基盤を支えるためには、この評価が不可欠である。具体的には、高頻度注文板データを用いて、注文が価格に与える影響を示す「価格インパクト」と、その日内での変動を分析することを目的としている。 2023年度は、特に「最近提案された推定手法を用いて価格インパクトの日内変動を推定し分析する」という研究実施計画の第一の項目を実施した。その結果、日内の価格インパクトの推定において内生性と日内変動を考慮することの重要性が確認され、注文の特性を適切にモデル化することにより市場クオリティの変動をより正確に捉えられることを明らかにした。 また、この研究成果を以下の3つの国際学会で発表した:①The 6th International Conference on Econometrics and Statistics (EcoSta 2023) ②The 25th International Conference on Computational Statistics (COMPSTAT 2023) ③The 17th International Conference on Computational and Financial Econometrics (CFE 2023) このように、研究の遂行とその成果の普及に努めており、市場クオリティの評価と監視方法に貢献することを目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画における第一の項目「最近提案された推定手法を用いて、価格インパクトの時間を通じた変動を推定し、その日内変動を分析する」については、目標を達成することができた。具体的には、最新の推定手法を適用し、価格インパクトの時間変動を分析できた。日内の変動パターンや他の市場クオリティ指標との関係についても研究を進めており、おおむね当初の計画通りに進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
価格インパクトと他の市場クオリティ指標との関連性に焦点を当てる。具体的には、時系列モデルを用いて推定された価格インパクトと、注文データから直接導出可能な記述統計量とを比較分析する。このアプローチにより、両指標の利点と限界を明らかにし、それぞれの指標が市場クオリティの評価にどのように寄与できるかを検証する。さらに、シミュレーションデータを用いた分析も行うことで、理論的な洞察と実際の市場データとの間の一貫性を評価する。この研究が進むことで、市場クオリティをリアルタイムで評価し、金融市場の適切な機能を監視するための新たな方法論が開発されることが期待される。
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