研究課題/領域番号 |
23K01340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07030:経済統計関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
蛭川 雅之 龍谷大学, 経済学部, 教授 (10597628)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 接合データの計量経済学 / 2標本回帰推定 / 十分次元削減 / 非対称カーネル関数 / 不連続点推定 / 一様収束速度 / 時系列計量経済学 / 時変パラメータ回帰モデル / ノンパラメトリック法 / 計量時系列分析 / カーネル法 / 次元縮小 |
研究開始時の研究の概要 |
学問的性質とコンピュータ性能の向上とが融合する形で、経済学およびその周辺分野において、ノンパラメトリック・セミパラメトリック法を用いた実証研究が近年飛躍的に増加している。本研究では、複数のデータセットの利用、費用変数に代表される台に境界を持つ非対称な分布、伝統的な目的関数の修正等、分析対象の特徴に沿ったノンパラメトリック・セミパラメトリック推定法を開発し、推定理論・実装方法双方を探求する。具体的な課題として、(I)2標本回帰推定問題の深化・発展、(II)費用分布等の様式化された事実に沿ったカーネル推定、(III)モデル推定を考慮した長期共分散行列推定量バンド幅選択法の開発の3点を予定する。
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研究実績の概要 |
当該年度に実施した研究内容は次の通りである。 ①計量経済学・統計学の主要英文査読誌において論文3本を刊行し、また、国内外の学会で5回報告を行った。 ②2標本回帰推定に関し、両標本間に共通に存在する変数が高次元である場合、「次元の呪い」の影響により回帰係数推定量はパラメトリックな収束速度を持ち得ない。そこで、欠落変数の条件付期待値がシングル・インデックス・モデルで表現可能との仮定の下で、十分次元削減の手法を用いて欠落変数の代理変数を計算し、回帰モデルに代入する手法を開発した。現在この推定手法の大標本特性を導出しているところである。 ③所得、保険金支払額等の分布を推定する場合、複数のモデルをある点で接合する手法が広く用いられる。通常この点は分布の右裾に位置する。この点を分布の不連続点とみなし、その位置をガンマ・カーネルを用いて推定する手法を開発した。研究結果をまとめた論文は現在英文査読誌で審査中である。 ④ガンマ・カーネル推定量の一様収束を証明し、同時にその収束速度を導出する文献が皆無であることが分かった。そこで、同カーネル関数を使用した様々なノンパラメトリック推定量に関する一様収束の結果を論文にまとめた。本論文は今後英文査読誌へ投稿する予定である。 ⑤非対称カーネル関数の時系列データへの応用例は少ない。一方、時変パラメータ回帰モデルの定義域には境界が存在するため、非対称カーネル関数の使用により本モデルの推定精度が向上するのではないかと予想される。現在この課題を予測に応用する手法を開発中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績①~⑤は全て当該年度に実施する予定であったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要に則して説明する。まず①に関しては、論文刊行・学会報告ともこれまで通り積極的に行う。次に、②に関し、2標本回帰推定量の大標本特性導出を進め、その結果を速やかに論文にまとめる。また、③に関連して、より安定的な不連続点推定法に関する研究を開始しており、その結果を論文にまとめる。さらに、④に関連し、ベータ・カーネルを用いた密度関数の一次微分推定量に対する一様収束速度を既に導出している。この結果も速やかに論文にまとめる。最後に、⑤に関しては、時変パラメータ回帰モデルを用いた予測についての研究を深化させる。
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