研究課題/領域番号 |
23K01347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石田 潤一郎 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (40324222)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 政策実験 / 政策協調 / 非対称情報 / 外部性 / 知識探索 |
研究開始時の研究の概要 |
国際社会がパンデミックのような未知の問題に直面したとき,各国政府は試行錯誤によって「正しい政策」を見つけ出さなければならないが,こうした国際社会における政策実験(policy experimentation)の効率性は,国家間に作用する外部性の効果によって大きな制約を受ける.本研究では,複数の意思決定主体(政府)間の相互依存性を明示的に導入した新しい政策実験モデルを構築し,国際社会における知識探索の動学的・漸近的性質とその厚生含意を明らかにする.また,知識探索の効率性向上に寄与する国際政策協調のあり方を検討し,それを達成する実行可能なガバナンス構造を模索する.
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研究実績の概要 |
国際社会がパンデミックのような未知の問題に直面したとき,各国政府は試行錯誤によって 「正しい政策」を見つけ出さなければならない.しかし,個人の選択の自由を尊重する民主国家においては,こうした政策実験(policy experimentation)を市民に強制することができないため,市民が自発的に政策実験に参加できるようなインセンティブを担保する制度設計が求められる.今年度は,そうした制度設計にむけた第一歩として,社会全体に偏在する情報を集約した政府が,その情報を市民へどのように開示すべきかという問題について理論的な分析を進めた.具体的には,新たに開発されたmRNAワクチンのような,個人レベルではその短期的または長期的効果が明確でなく,またその科学的評価には大集団において集計された大規模データが要求される状況を想定している.現在進行中の研究では,こうした環境における最適な情報フィードバックメカニズムの特徴づけを行い,その結果からいくつかの現実への応用が可能な政策含意を導出した.この分析の結果,政府が直面する問題は潜在的に複雑なものとなりうるにも関わらず,最適なフィードバックメカニズムは極めてシンプルな原則によって特徴づけることができることがわかった.また,この分析で明らかになったこれらの原則は,情報生成過程や政府の目的関数といったモデルの細部とは独立に成立するため,現実の幅広い状況に応用することが可能であると考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最適情報フィードバックメカニズムの研究はほぼ完成に近づいており,他の研究プロジェクトについても順次着手する準備が整っている.
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今後の研究の推進方策 |
現在進行中の研究を完成させワーキングペーパーとして公表する.また,政府が複数存在するケースへの分析の拡張を検討する.
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