研究課題/領域番号 |
23K01355
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
大住 康之 兵庫県立大学, 国際商経学部, 教授 (10223819)
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研究分担者 |
高橋 青天 神戸大学, 経済学研究科, 経済学研究科研究員 (10206831)
室 和伸 明治学院大学, 経済学部, 教授 (10434953)
三宅 敦史 神戸学院大学, 経済学部, 教授 (60513281)
佐藤 純恵 名城大学, 法学部, 准教授 (70623388)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 人工知能 / 市場集中 / 代替弾力性 / 収穫逓増 / 労働分配率 / 所得不平等 / 成長 / 分配 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、人工知能という新技術の進展により生じうる2つの現象、すなわち産業や市場における一極集中化現象や労働から資本への代替現象が、成長や所得格差に如何なる影響を及ぼすかについて、日本経済を対象に理論と実証の両面から検討する。 特に集中化現象が新技術によってどの程度生じているかを日米経済の異同に着目しながら検証を行ったうえ、集中化現象と成長や所得格差について理論的に明らかにする。他方、ロボット資本の浸透によって、各産業における資本と労働の代替弾力性の検証を行ったうえで、各代替弾力性の程度によって所得格差や成長が如何なる影響を受けるかを理論的に明らかにし、各政策的含意について考察を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、人工知能という新技術の進展により生じうる2つの現象、すなわち産業や市場における一極集中化現象や労働から資本への代替現象が、成長や所得格差に如何なる影響を及ぼすかについて、日本経済を対象に理論と実証の両面から検討する。 2023年度は、初年度ということから研究分担者と共に「AI技術と市場集中のマクロ研究会」と題した研究会を立ち上げ、1ヶ月に1回程度のペースで年間10回程度zoom開催した。研究会では、主として人工知能に関連する既存研究の紹介や自身の研究内容についての報告を行った。2023年度の共同成果としてはSpringer Nature出版、Yasuyuki Osumi編著Structural Change, Market Concentration, and Inequality-A Multisector Analysis, 全10章 240pp. 2024年発刊予定となった。 各自の成果は以下の通りである。代表者は上記編著1編ならびに論文1編を著し、国際学会報告を6回行った。分担者の髙橋青天は論文5編を著し(例えば“A Dynamic Theory of the Balassa-Samuelson Effect," in D. Avom and G. Dufrenot Eds., Topical Issues in Development Economics, Cambridge Scholars Publishing, pp.333-343)、国際学会報告を1回行った。室和伸は論文1編「労働分配率の低下と賃金不平等の拡大」中村保他編『マクロ経済学の課題と可能性』中京大学経済研究所 第9章を著した。三宅敦史は論文1編「情報化社会における収穫逓増と労働分配率の低下」中村保他編同上第8章を著し、国際学会報告を2回行った。いずれも当該研究に関連した内容である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究を行うのに際して、共同研究者と共に月1回程度の割合で「AI技術と市場集中のマクロ研究会」と題した研究集会をzoomにて行い、本研究内容に沿って、各自関心のあるテーマに関する研究の紹介や各自の研究報告を行った。その成果を内外の論文、国際学会報告、英文著書という形で著した。そういう意味で概ね進んでいる状況である。ただし、十分なデータ分析が進められておらず、今後の課題として残されている。
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今後の研究の推進方策 |
初年度より引き続き「AI技術と市場集中のマクロ研究会」を定期的に開催し、人工知能に関する文献を精査し、各自研究報告を行いながらモデルの展開を探る。 当初の研究では、市場集中に関する計測や各種の資本と労働間の代替弾力性に関する実証分析を進める計画であったが、十分ではないので、今後の方策として役割分担を決めながら、データ収集と検証作業を進めることを企図する。並行して市場集中や代替弾力性と分配や不平等に関する幾つかの理論的展開についても研究会等を通じて計画する。
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