研究課題/領域番号 |
23K01361
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
渡邉 正英 龍谷大学, 経済学部, 教授 (50434783)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 曖昧性 / 健康行動 / 曖昧性態度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、自然要因の曖昧性に対する曖昧性態度と現実行動との関連を検証し、曖昧性下の行動原理を明らかにする。これまで多くの経済実験から、確率が不明な状況を回避する曖昧性回避が観察されてきた。しかし、経済実験で観察されてきたのは、現実世界での自然要因の曖昧性に対する曖昧性態度ではなく、エルズバーグの壺に代表される人工要因の曖昧性に対する曖昧性態度である。本研究では、健康に関連する現実的な自然要因の曖昧性に対する曖昧性態度(曖昧性回避度と尤度鈍感度)を抽出し、現実の健康関連行動との関連を明らかにし、健康政策への提言につなげる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、現実的な自然起因の曖昧性に対する態度と現実行動との関連を実証的に検証することである。検証対象は健康行動とする。これまで多くの研究室実験において、確率分布が不明な状況を回避する曖昧性回避が観察されてきた。しかし、実験で観察されてきた曖昧性回避は、エルズバーグの壺に代表される人工的な曖昧性に対する態度である。健康状態や自然災害といった自然起因の曖昧性と人工的な曖昧性に対する態度は異なることが知られているが、自然起因の曖昧性に対する態度と現実行動との関連を実証的に検証した研究は投資行動を対象としたごく一部に限定され、自然起因の現実的な曖昧性と現実行動との関連についてはよくわかっていない。そのため、自然起因の曖昧性に対する態度と現実の健康行動との関連を実証的に検証する本研究は、曖昧性下の行動を理解するうえで重要な知見を提供できると考えられる。
2023年度は、健康に関する曖昧性に対する態度を抽出するための具体的な実験計画の策定を行った。基本方針として、健康に関連する曖昧性に対する曖昧性回避度と尤度鈍感度からなる曖昧性態度をweb実験で抽出し、得られた曖昧性態度と健康行動との関連を実証的に検証する実験計画案を検討した。しかしながら、健康行動を対象とする場合の自然起因の曖昧性の具体的な設定、および、実験でのインセンティブ付与の具体的方法について確定するに至らなかった。健康行動を対象とするため、倫理的な側面や現実的な選択の設定に課題が残っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度中に実験計画を完了しプレテストを実施することを計画していたが、大まかな実験計画の策定にとどまったため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、実験計画において解決すべき課題となっているインセンティブ設計、および、現実的な自然起因の曖昧性に関する具体的な設定を行い、年度内にプレテストを行う予定である。
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