• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

無形資産の生産力効果 ー相互連関、地域間・産業間リンケージを中心として-

研究課題

研究課題/領域番号 23K01381
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分07040:経済政策関連
研究機関学習院大学

研究代表者

宮川 努  学習院大学, 経済学部, 教授 (30272777)

研究分担者 石川 貴幸  立正大学, 経済学部, 特任准教授 (90881780)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード社会資本 / 無形資産
研究開始時の研究の概要

最新の都道府県別産業生産性データベース(R-JIP2021データベース)と都道府県間産業連関表を利用して、無形資産投資(ソフトウエア及び研究開発)のネットワーク効果または外部効果を実証的に検証しようとするものである。
加えてこの無形資産の生産性への影響を計測した実証結果を利用して、成長会計における全要素生産性成長率を、無形資産の外部効果とそれ以外に分解することを試み、サービス業も含む全産業について都道府県別の成長会計について研究開発投資だけでなく、ソフトウエア投資も含めた外部効果の貢献度を計測する。

研究実績の概要

研究計画では、2023年度は初年度ということもあり、分析に使用するデータの整備を中心に進める予定であった。しかし本研究が始まったばかりの2023年5月に、内閣府から社会インフラの生産力効果に関する分析依頼が来た。我々の研究計画を説明すると、それでよいということで、内閣府経済社会総合研究所のプロジェクトとしても位置づけられることになった。この場合、データ作成に関する協力は得られるものの、成果は年度単位になるため、2023年夏ごろにはデータをそろえ、推計を始めることになった。
この研究とは別に、国際共同研究基盤BでBounfour University of Paris Saclay教授と共同研究をしていることから、9月及び11月にパリを訪問した際、共同研究の成果の確認だけでなく、本研究の推計結果についても随時説明を行った。そして2024年3月に学習院大学でワークショップを行った際にも、本研究を報告している。
本研究は、社会資本や公的な無形資産が外部性を通して、生産性を向上しているのではないかという問題意識から、生産関数の推計によってその効果を確かめようとするものである。実はデジタル化についても同様の外部効果が見込まれている。これについては、2023年8月にこれも内閣府経済社会総合研究所から、同研究所が発行する「経済分析」用にデジタル化の経済分析を依頼されたため、本研究との相乗効果を期待して引き受けた。こちらの研究は、「デジタル化の経済学 ―計測問題とスピルオーヴァー効果を中心としてー」を執筆、2024年3月に「経済分析」で公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

すでに述べたように、2023年度の活動は、データ整備が主体であったが、これは2023年夏ごろまでには大体整備を終えた。我々が利用するデータは、主に「日本の社会資本2022」、R-JIPデータベース2021、地域間産業連関表である。これらを使って社会資本及び公的な無形資産の生産性への影響に関する推計を夏から進めた。
推計結果については、1か月か2か月に1回オンライン会議を行い、修正をしていった。同時に本プロジェクトの共同研究者として参加している川崎一泰中央大学教授と岩崎雄也青山学院大学助教が、社会インフラの維持・補修についても研究を進めていた。このプロジェクトは、2023年10月から始まった日本経済研究所の生産性プロジェクトに組み込まれることになった。したがってオンライン会議では、この川崎・岩崎論文の進捗状況についても議論をすることになった。
社会資本の生産力効果についても、川崎・岩崎論文についても作業の締め切りが、ほぼ2023年度末であったため、集中してそれぞれの研究に取り組んだ。特に前者の研究については2023年3月に学習院大学で実施された国際ワークショップで報告を行った。一方後者に関しては、2024年3月26日に「老朽化が進む社会資本のメンテナンスが地域内外に及ぼす影響」として(一財)日本経済研究所のウェブサイト(老朽化が進む社会資本のメンテナンスが地域内外に及ぼす影響 | 一般財団法人 日本経済研究所 (jeri.or.jp))に掲載されている。

今後の研究の推進方策

社会インフラの生産力効果と無形資産の役割については、ほぼ論文が完成しているため、今後は、学会や各研究会で報告し、そこでのコメントをもとに修正を行い、専門誌への投稿を進めていきたい。
現時点では、2024年5月に統計研究会金融班で発表を行う。また6月には依頼先である内閣府経済社会総合研究所で報告を行う。これらの報告のコメントをもとに、論文の修正を行って、夏ごろまでには内閣府経済社会総合研究所のディスカッション・ペーパーとして公表したい。
また2024年8月にはロンドンで開かれる第38回International Association for Research on Income and WealthのGeneral Conferenceで報告することも決まっている。こうした期間に専門誌への投稿を行いたい。さらに秋に開催される日本経済学会秋季大会での報告にも応募している。
一方、川崎・岩崎両氏のプロジェクトについては、すでに(一財)日本経済研究所のウェブサイトに公表されたが、今後この論文は、宮川が編集を担当する生産性に関する論文集(東京大学出版会から出版予定)の1章を構成することになる。この論文集の出版については、2024年10月に再度ミーティングを行う予定だが、出版に当たっては現行の論文の分量を増やす必要があるため、あらためて改訂が行われる際に、本プロジェクトとの関連性についても議論する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] University of Paris-Saclay(フランス)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] デジタル化の経済学─計測問題とスピルオーヴァー効果を中心として─2024

    • 著者名/発表者名
      宮川努
    • 雑誌名

      内閣府経済社会総合研究所編『経済分析』

      巻: 第209号

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] アフターコロナにおける生産性向上の意味-多様な資本蓄積による豊かな社会の実現を考える-2024

    • 著者名/発表者名
      宮川努
    • 雑誌名

      一般社団法人日本経済研究所編『日経研月報』

      巻: 第542号 ページ: 6-14

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 多様な資本を軸とした生産性向上を2024

    • 著者名/発表者名
      宮川努
    • 雑誌名

      一般社団法人日本経済団体連合会編『月刊 経団連』

      巻: 第72巻第1号 ページ: 28-29

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] コロナ禍を経た企業内人材育成の現在地-独自調査も踏まえた検討-2023

    • 著者名/発表者名
      宮川努・滝澤美帆
    • 雑誌名

      学習院大学経済経営研究所編『学習院大学経済経営研究所年報』

      巻: 第37巻 ページ: 1-15

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Declining R&D Efficiency in Japan -- Evidence from Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Miyagawa, Tsutomu
    • 雑誌名

      Artificial Intelligence in Science: Challenges, Opportunities and the Future of Research

      巻: - ページ: 85-88

    • DOI

      10.1787/a8d820bd-en

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本の長期停滞と生産性向上の必要性2023

    • 著者名/発表者名
      宮川努
    • 雑誌名

      一般社団法人交通経済研究所『運輸と経済』

      巻: 第83巻第4号 ページ: 27-33

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 転換期の日本経済─多様な資本で新たな成長の実現を─2023

    • 著者名/発表者名
      宮川努
    • 学会等名
      一般社団法人中部経済連合会WEB講演会、経済委員会主催
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 新たな豊かさに向けた生産性向上とは~生活の豊かさ(well-being)を実現する手段としての生産性向上の基盤を考える~2023

    • 著者名/発表者名
      宮川努
    • 学会等名
      日本生産性本部主催2023年度 第3回生産性シンポジウム(オンライン)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 健全かつ持続可能な成長への包括的循環を目指して2023

    • 著者名/発表者名
      宮川努
    • 学会等名
      第2回生産性ビジネスリーダーズ・フォーラム(BLFP)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 生産性向上策の光と影2023

    • 著者名/発表者名
      宮川努
    • 学会等名
      2023年度第2回東京公演会、日本経済研究所
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] グラフィック マクロ経済学 第3版2023

    • 著者名/発表者名
      宮川 努、外木 暁幸、滝澤 美帆
    • 総ページ数
      392
    • 出版者
      新世社
    • ISBN
      9784883843787
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] Japan-France Workshop on Productivity, Intangibles and AI2023

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi