研究課題/領域番号 |
23K01382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
和田 龍磨 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (20756580)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | L1トレンドフィルター / 経常収支 / 為替レート / 経済時系列 / 長期トレンド / 状態空間モデル / VAR |
研究開始時の研究の概要 |
国民経済に大きな影響を与えうる経常収支と政策によってある程度コントロール可能な為替レートの関係を定量的に明らかにする。本研究計画では特に経常収支にみられる、人口動態をはじめとする様々な要因による長期的な変動とその急激な変化を考慮し、また為替レートにも長期成分を仮定し、これまでのモデルにフレキシブルなトレンドを許容することによって経常収支と為替レートの関係を探る。 具体的にはベクトル自己回帰 (VAR) モデルに非対称性を加え、さらにVARも包括する多変量状態空間モデルによってトレンドに構造変化が起こりうるモデルを推定した上で、インパルス応答関数によって為替レートによる経常収支への影響を見る。
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研究実績の概要 |
初年度となる2023年度は経常収支と為替レートのそれぞれの長期的趨勢を定義するために、時系列分析に基づくフィルタリングを考察し、特にこれまで時系列特性があまり明らかにされてこなかった経常収支にL1トレンドフィルタリングを適用することで長期趨勢を定義しようと試みた。線形時系列モデルなどでトレンドを定義することは可能であるが、推定しなければならない未知パラメターに依存したトレンドを考慮することは、対象とするデータが日本のもののみであるなど、限定的な場合には試行錯誤によってアドホックなものを推定することができるが、本研究では日本のみならず諸外国の経常収支や為替レートのトレンドを対象とするためと、線形モデルでは記述することが困難である、構造変化をも含むトレンドを考慮するために、ある程度機械的に適用できるフィルタリングによるトレンドの定義を行うこととした。L1トレンドフィルタの先行研究を整理したほか、効率的な計算手法についても検討を行った。このほか、4th TWID International Finance Conference において為替レートに関する論文の討論者を務め、国際的なコンファレンスである98th Annual Conference of Western Economic Association International ではEMPIRICAL STUDIES ON MACROECONOMICS セッションをオーガナイズした。ここでは、共著者による研究論文(主に途上国の経常収支などマクロ変数が国外からの経済援助によってどのように変化するかの解明)の報告が行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定では初年度はL1フィルタの特性を明らかにした上で、経常収支のトレンドについての分析を行うことになっていた。ところが予期しなかった大学業務が重なったこともあり、遅れを来した。
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今後の研究の推進方策 |
L1フィルタの特性を明らかにした上で、出来るだけ早期に経常収支および為替レートのトレンドについて分析を行う。この際、VARモデル(現在価値モデル)に基づくトレンドとの比較において、為替レートとの関係をも明らかにする。
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