研究課題/領域番号 |
23K01386
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
中山 惠子 中京大学, 経済学部, 教授 (90207944)
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研究分担者 |
水野谷 剛 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (10500770)
松本 昭夫 中央大学, 経済研究所, 客員研究員 (50149473)
藤川 清史 愛知学院大学, 経済学部, 教授 (60190013)
櫻井 一宏 立正大学, 経済学部, 准教授 (20581383)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 森林環境税 / 森林環境譲与税 / 持続可能な森林成長 / 譲与基準 / 環境税 |
研究開始時の研究の概要 |
まず、自治体・国の環境税に関する既存研究や問題点の整理、実態の把握に努める。付随的には、諸外国で導入されている森林関連の環境税、特に課税根拠に関する研究を収集・整理する。これらを踏まえ、森林の保全と持続的成長にとって適正な環境税を理論モデルを構築して検討し、最終的に望ましい環境税を提言するとともに、新たな課題にも言及していく。
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研究実績の概要 |
2023年度は、研究所年度であるため、研究代表者が中心となり、既存研究や資料・データの収集を行った。また、森林環境譲与税を通して全国に配分される譲与額の使途を調査するとともに、森林のない地域に多額の譲与額が配分され、森林涵養が必要な地域に少額との批判が多いことから、批判の実態の把握に努めた。その結果、譲与基準自体を検討する必要があると共同研究者と認識を一にした。当初の予定には入っていなかったが、譲与基準を検討することとなったため、適正な譲与基準を提言するためにもシミュレーションが必要となり、そのためのモデルの構築にもとりかかることとなった。 また、森林の最適成長に関する動学理論のモデルの整理は概ね、順調に進行している。森林の最適成長を論議する際、短期ではなく、長期で扱うのは寧ろ当然である。しかし、最適成長には、森林保全、森林涵養は必ず必要であるが、それにかかる費用の財源をどこに求める課までを論議している研究は少ない。そこで、われわれは、その財源をどのような税で補うのがよいのかを複数の税で比較し、理論的にも整合性があり、国民からも同意を得やすい税を検討していくためのモデルの構想を検討中である。 研究期間を通して、有益な結果が得られるよう、共同研究者とも話し合いを重ね、分担の確認も改めて行い、合意を得た。本研究に間接的に貢献する研究も含め、共同研究者も学会報告、論文等の成果をおさめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、本研究の初年度であるため、共同研究者と今後の研究計画を入念に打ち合わせた。特に、2024年度より、森林環境税は、個人住民税均等割の枠組みを用いて、国税として1人年額1,000円を市町村が賦課徴収されるため、国民の関心も高まるであろう。そこで、われわれは、森林環境譲与税の譲与額が実態に即しているかを検討することとした。森林の適正な成長、保全にとって、また、森林環境税の創設の経緯からも、譲与額の多寡は重要であるのは言うまでもなく、従来より、配分額と実態が合致していないと多くの批判があったことに加え、令和6年度税制改正大綱では同譲与税の配分割合について見直しが盛り込まれたことから、譲与基準に着眼することとした。現在は、現行の譲与基準と譲与額に関してモデルを構築して、シミュレーションを行い、実際の譲与額と照らし合わせ、モデルの整合性を確認中である。この後、変更後の譲与基準の下での譲与額を計算し、森林涵養が必要な地域の実態に即しているかを検討した後、さらに真に実態に即した譲与基準とは何かに言及していく予定である。それ以外に、本来の計画に必要な分担の確認も概ね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
現在は、森林環境税を財源とした森林環境譲与税の配分基準、それゆえ実際の配分額と実態が合致していないとの批判の声が大きいため、政府は今年度から譲与基準を変更するとのことであるが、変更後の基準がどの程度批判に対応し得るものであるかを検討し、さらに何れは、望ましい譲与基準へとつなげる予定である。 また、異なった徴税方法による環境税の比較・検討を理論面、実証面からも検討を重ね、森林涵養、森林保全にかかる費用をいかに賄うかを提言できるよう努めていくつもりである。 さらに、森林は短期ではなく、長期で考察すべきであるため、適正な森林成長がかなうようの構築も視野に入れている。 これらの課題に関しては、共同研究者との分担を今年度も十分に確認しつつ、研究を進めていく。
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