研究課題/領域番号 |
23K01393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
今井 晋 一橋大学, 大学院ソーシャル・データサイエンス研究科, 教授 (10796494)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 操作変数 / 費用のデータ / 参入 / 寡占市場 / 費用データ / 構造推定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、参入企業の費用が観測可能であれば、非参入企業の情報がなくても、企業の需要関数、費用関数、そして参入費用のすべてのパラメータをバイアスなく推定する推定方法を開発する。
本研究において開発される推定方法では、まず最初に、近年本研究の研究者と共著者によって開発されている操作変数を用いない需要関数、費用関数の推定方法を使って需要関数、費用関数を識別、推定する。操作変数の直行条件を使わないので、参入企業のデータのみで需要関数、費用関数は識別・推定可能である。その結果、参入企業の利潤を導出でき、それを用いて参入確率、そして参入費用のパラメータが識別、推定可能となる。
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研究実績の概要 |
令和5年度においては、以下の研究結果があった。 1)操作変数の代わりに、費用のデータを用いた推定法が真のパラメータを識別することをより厳密に証明した。2)通常操作変数として使われる企業の観測される特性が、参入企業のみにデータとして存在する場合でも、参入モデルの構造パラメータは識別されることを証明した。しかし、その識別には膨大なデータが必要とされることがわかり、それが現実的なモンテ・カルロの設定のもとでは推定されたパラメータにバイアスが生じている理由であることがわかった。3)1)の手法を使うと、独占企業、2企業の参入の両ケースのモンテ・カルロでパラメータがバイアスなく推定されることが示された。4)実際の老人ホームのデータを用いて推定作業を行った場合、生産関数、そして需要関数の価格係数が概ね妥当なレベルで推定可能であることが示された。 さらに、研究代表者が共同研究者とともに開発した、費用関数を用いて操作変数を使わない推定方法を発展させている。Byrne et al. (2022)では、操作変数を使わずにマーケット・シェアの関数における価格係数をバイアスのない推定を達成したが、観測される製品特性の係数に生じるバイアスを除去できなかった。そこで、観測される製品特性の係数もバイアスなく推定できる手法を開発する。それは、まず費用のデータを用いて、バイアスなく価格係数を推定する。そして操作変数を使っても推定し、それが費用のデータを用いて推定した価格係数とほぼ同じであれば、その操作変数が妥当であることがわかるので、それを使って観測される製品特性の係数も推定する。通常の直交条件のもとでは、価格係数の推定のみでは操作変数の妥当性はわからないが、通常の直交条件とは若干異なる直交条件を用いることによって、そのような推定が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
費用のデータを用いた参入の分析の理論、モンテ・カルロ分析は完成し、現在新しい分析手法を老人ホームの実証分析に応用した研究を行っている。世界中で高齢化がさらに加速することが予想され、老人ホームの需要の増加が見込まれる。よって、どのような政策が老人ホームの参入を促進するかは重要な研究対象である。その分析が困難である理由は、参入を検討している老人ホームのデータが存在しないことである。本研究で開発される手法は、そのようなデータの欠如から生じる問題を克服する。さらに、新しく開始した、寡占企業のマーケット・シェアの関数における観測された製品特性の係数の推定方法の開発において、そのための基本的な計量経済学的な理論分析、そしてモンテ・カルロ分析は終了し、現在では、基本的なモデルをより拡張したモデルの計量経済学的理論分析、モンテ・カルロ分析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
企業の参入の研究では、令和6年度は残された課題である老人ホームのデータ分析を完成させ、すべての結果をまとめて論文を執筆し、来年度から国際学会で結果を積極的に発表し、そこでのコメントを踏まえて論文を修正して、海外一流雑誌に投稿する。 新しく始めた、直交条件が満たされる保証がない操作変数を用いた推定では、モデルをより拡張した場合の計量経済学的分析、そしてモンテ・カルロ分析を行い、それらの結果を実際のデータに応用する。
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