研究課題/領域番号 |
23K01417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
別所 俊一郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90436741)
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研究分担者 |
古村 典洋 財務省財務総合政策研究所(総務研究部), 総務研究部, 主任研究官 (10973711)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 医療費自己負担 / 自然実験 / 患者負担 / 医療サービス消費 / 自己負担 / 公的医療保険 / 回帰不連続デザイン / レセプト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,日本の公的医療保険の制度改正を利用して,高齢者の医療サービス消費や健康状態が,患者負担の変化にどれほど影響されるかを明らかにする.医療保険制度における患者負担のあり方については数多くの研究があるが,本研究では,これまで用いられていない,生年月による患者負担の差を用いる.生年月は時間がたっても変化しないから,これにより,患者負担のもつ中長期的な影響を検証することが可能となる.本研究では,レセプト情報データベース,人口動態調査,国民生活基礎調査等の多くのデータを活用することで,患者負担が医療サービス消費のみならず,健康状態や健康関連行動に与える因果効果を推定する.
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研究実績の概要 |
本研究では,日本の公的医療保険制度における自然実験的状況を利用して,高齢者の医療サービス消費や健康状態が,患者負担の変化にどれほど影響されるかを明らかにする.医療保険制度における患者負担のあり方については数多くの研究があり,日本についても年齢による患者負担の非連続的変化を用いた研究蓄積がある.本研究では,これまであまり用いられていない,生年月による患者負担の差を用いる.これにより,患者負担のもつ中長期的な影響を検証することが可能となる.本研究では,レセプト情報データベース(NDB),人口動態調査,国民生活基礎調査,国民健康・栄養調査等の多くのデータを活用することで,患者負担が医療サービス消費のみならず,健康状態や健康関連行動に与える因果効果を推定する.本年度は,厚生労働省から使用許可等を得て,NDB・人口動態調査・国民生活基礎調査・国民健康・栄養調査についてのデータを整備した.具体的には,NDBについて生年月別の集計票情報の提供を受け,外来・入院・調剤のレセプト枚数・総医療費を求めた.他の調査については個票をそのまま推定に用いるため,年度間の変数の調整等を行った.その後,NDBのデータを用いて生年月に基づく回帰不連続デザインの推定を行い,これまでの研究とほぼ整合的な結果を得た.医療サービス消費の結果については論文にまとめ,投稿へ向けた準備を進めた.また,患者調査を用いた分析についても投稿準備を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では,日本の公的医療保険制度において生年月日によって自己負担率が非連続に変わる時期があったという自然実験的状況を利用して,自己負担率が高齢者の医療サービス消費や健康状態に与える影響を回帰不連続デザインを用いて研究することとしている.初年度は本研究課題に先立つ予備的分析から進展させること,本研究課題で用いるデータの入手および整備,基本形となるデータ分析・推定を行うことを目標としており,この目標に照らすとおおむね順調に進展していると思われる.
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題では,自己負担率が高齢者の医療サービス消費や健康状態に与える影響を回帰不連続デザインを用いて研究することとしており,医療サービス消費については基本となる推定がほぼ終了していることから投稿準備を進める.投稿後の改訂要求への対応,再投稿を2年目に行う.また,健康状態に与える影響についても推定・分析を進める.用いるデータの整備は順調に進んでおり,現段階で特段の課題はないと思われる.
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