研究課題
基盤研究(C)
法人税制はどうあるべきか.なかでも,企業の事業再編活動にかかる税制はどうあるべきか.本研究では,税の企業買収市場における役割について実証分析を行う.特に株主への課税が企業の買収意欲を左右しうるという理論的含意に着目し,配当課税と譲渡益課税のバランスの影響を実証的に検証する.日本のM&A案件レベルデータを用い,構造推計ならびに準実験の手法を用い複合的に検証する.現在の日本の税制では,大口個人株主にとって配当を受け取るよりも余剰金を繰り延べる方が有利となる側面があり,過剰に合併買収が行われ社会厚生が減少している可能性がある.証拠に基づく政策立案(EBPM)に貢献する知見を提供することも目的とする.