研究課題/領域番号 |
23K01422
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
平賀 一希 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (40528923)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 財政の持続可能性 / 財政再建 / 消費増税 / 所得減税 / 財政再建ss / 財政ルール / 動学的一般均衡モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①財政ルールを導入した財政の持続可能性の分析、②財政再建の手段として、消費増税や所得増税、もしくは歳出削減のいずれか望ましいかについての比較検証、および③財政再建のコストが分野別経済変数に与える影響についての検証について取り組む。①については長期の観点に立ち、財政が持続可能になる状況について、世代重複モデルを用いて分析する。②および③については、財政再建に伴う経済に与える影響という短期の観点に立ち、ニューケインジアン型動学的確率的一般均衡モデルをもとに、マクロおよび産業部門(品目)別データを用いて、消費者や生産者、財政ルールなど構造パラメータを推定することで定量的に分析する。
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研究実績の概要 |
本研究では、①財政ルールを導入した財政の持続可能性の分析、②財政再建の手段として、消費増税や所得増税、もしくは歳出削減のいずれか望ましいかについての比較検証、および③財政再建のコストが分野別経済変数に与える影響についての検証について取り組む。①については長期の観点に立ち、財政が持続可能になる状況について、世代重複モデルを用いて分析する。②および③については、財政再建に伴う経済に与える影響という短期の観点に立ち、ニューケインジアン型動学的確率的一般均衡モデルをもとに、マクロおよび産業部門(品目)別データを用いて、消費者や生産者、財政ルールなど構造パラメータを推定することで定量的に分析する。 本年度においては、②において恒常的消費増税によって実質消費支出および期待インフレ率に与える影響について、仮想的なシナリオを提示した際の変動をランダム化比較試験(RCT)を用いて検証を行った。また、無形資産と担保制約を含んだ動学的一般均衡モデルにおいて、所得税と法人税のラッファー曲線に関する研究を進めた。①については、国債の需要を明示した世代重複モデルの検討を行い、安全資産として国債を保有する効用が存在する場合、財政の持続可能性を規定する際に重要となる国債利子率が低くなることを通じて、より持続可能になりやすい状況となることが分かった。③については、複数財ないしは多重生産過程を含むニューケインジアン型動学的一般均衡モデルの先行研究を調べ、分析モデルの検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
財政再建の手段として検討されている恒久的な消費増税および景気対策の手段として検討されている一時的な消費減税について、インターネット調査を用いてランダム化比較試験(RCT)を行い、実質消費支出および期待インフレ率に与える影響を分析したHiraga and Niizeki (2024)が一通り論文が完成し、国内外での学会報告を経て、投稿の準備を行う状況にある。また、観光消費に関する研究(Funashima and Hiraga (2023,2024))も海外査読誌に掲載されるなど、本研究に関連する論文において、一定の成果が得られたことが評価できる点として挙げられる。 一方、財政ルールを含んだモデル構築については、モデル構築方法について現在すすめており、2024年度に完成することが期待される。また、消費増税の価格転嫁に関するモデルについては、複数の重要な先行研究が得られたこともあり、併せて今年度後半および来年度前半を中心に分析を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度においては、財政の持続可能性を分析する経済理論モデルを構築し、財政ルールを含んだモデルの論文の完成を優先して取り組んでいく。同時に、消費増税の価格転嫁に関するモデルについては、複数の重要な先行研究が得られたこともあり、併せて今年度後半および来年度前半を中心に分析を進めていく予定である。 これらの研究成果については、2025年度に研究報告を国内外の学会で行う。また、消費税変更のRCT論文については、今年度を中心に国内外の学会で報告を行い、その後に海外査読誌に投稿を行う。
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