研究課題/領域番号 |
23K01437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
菅 史彦 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (20799556)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | heterogeneous preference / structural estimation / Structural Estimation / Inequality / Progressive Tax |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、選好の異質性を導入した、家計の動学的最適化モデルを推定し、推定したモデルを用いて制度・政策分析を行うことを目的としている。推定には、個人の時間選好やリスク選好に関する項目を含む、日本家計パネル調査(KHPS/JHPS)のデータを用いる。推定したモデルを用いて仮想シミュレーションを行い、税・社会保障制度による所得再分配が、どの程度運・不運によって生じた所得格差を是正するかを定量的に評価することを目指す。これにより、税・社会保障制度による所得再分配が、どのくらいの家計にとって、どの程度「保険」として機能しているかを明らかにすることが可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究は、経済モデルに個人の時間選好(およびリスク選好)に異質性を導入することによって、税・社会保障制度が家計の厚生に与える影響について、これまで分析されてこなかった新しい視点から捉え直すことを目指すものである。そのために、本研究では家計の時間選好やリスク選好に関する質問項目を含む、慶應義塾家計パネル調査(KHPS)および日本家計パネル調査(JHPS)のデータを用いて分析を行う。 現在、ほとんどの先進国では累進的な所得税が導入されているが、高所得者から多く徴収し、社会保障制度を通じて低所得に分配することが広く受け入れられている。このような強制的な所得移転が正当化されうる理由の一つとして、税・社会保障制度による所得再分配が、「保険」として機能しうるという側面がある点が挙げられる。このような所得再分配が持つ保険機能は、家計の選好や行動に依存して、保険として機能する度合いが異なると考えられる。特に、経済学において自己保険(self-insurance)とも呼ばれる、貯蓄に対する選好(=時間選好)は大きく影響すると考えられるため。そのため、まずは個人の時間選好に異質性を導入したモデルを推定する作業を起こった。 今年度までで時間選好のみに異質性を導入したモデルを推定を完了し、労働経済学分野において最大の学会であるAsian and Australasian Society of Economics (AASLE) Annual meetingにおいて研究発表を行い、同分野の研究者から貴重なコメントを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年の目標として、AASLEにおいて発表することを目指していたので、現在までの進捗としては順調と言える。
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今後の研究の推進方策 |
現在推定で来ているモデルには、時間選好にのみ異質性を導入しているが、他の選好についても異質性を導入することを計画している。
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