研究課題/領域番号 |
23K01449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
塩谷 雅弘 金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (70340867)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 対外債務 / ノンバンク金融 / 直接投資 / 新興市場国 / マクロ金融連関 / macro-financial linkages / non-bank finance / global supply chain / capital flows / emerging markets |
研究開始時の研究の概要 |
グローバルな金融統合化に伴い増加している国際資本移動の傾向が、近年、変化している。すなわち、貸し手は銀行からノンバンクへシフトし(ノンバンク金融化)、また、多国籍企業によるコスト削減を狙ったグローバルな金融戦略として企業内貸付や投資が増加している(直接投資の金融化)。本研究は、新興市場国へ流入する資本のノンバンク金融化と直接投資の金融化について、それらの状況や要因を調査し、グローバルなマクロ金融連関に与える影響や採るべき経済安定化政策の検討を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度は研究の初年度として、以下のことを行った。第1は、新興市場国への資本流入における2つの傾向(ノンバンク金融化と直接投資の金融化)の状況調査と要因の検討(目的①)について、データの収集及び整備を行った。具体的には、IMFやBISの債務や銀行貸出のデータベースからデータを入手し、先行研究(Arslanalp and Tsuda, 2012, 2014など)にならい、一部の新興市場国を対象として、公的債務を債権者タイプごとに仕分けした。また、債務を債権者タイプごとに仕分けする研究の文献調査を行い(LSE library)、より精緻な仕分け作業のための有益な知見を得た。これらの活動により、状況調査や要因の検討を行うための基礎データベース整備の一部が完了した。第2は、資本流入におけるノンバンク金融化と直接投資の金融化がグローバルな金融ショックとマクロ経済の関係(グローバルなマクロ金融連関)に与える影響の検討(目的②)について、グローバルな金融ショックの特定とグローバルなマクロ金融連関を分析する枠組みの検討を行った。検討過程において、エクス=アン=プロヴァンス政治学院(Sciences Po Aix)で開催されたワークショップで関連する研究発表を行い、関連研究者から有益な助言を得た。また、因子分析など各国に共通するグローバルなショックを特定する統計的手法について文献調査による検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ノンバンク金融化と直接投資の金融化の状況調査のためのデータベース整備がやや遅れている。債務の債権者タイプごとの仕分け作業について、データ入手と仕分け作業が煩雑なためである。次年度は、民間データベースの利用契約を行うなど作業効率を向上させるための工夫をしたい。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は研究の2年目として、以下のことを行う。第1は、新興市場国への資本流入における2つの傾向(ノンバンク金融化と直接投資の金融化)の状況調査と要因の検討(目的①)について、データベースの整備を継続して行い、地域間比較などにより特徴をまとめる。また、要因分析を行う。第2は、資本流入におけるノンバンク金融化と直接投資の金融化がグローバルな金融ショックとマクロ経済の関係(グローバルなマクロ金融連関)に与える影響の検討(目的②)について、これまで検討してきた分析枠組みにより、統計的分析を行う。研究成果は適宜ディスカッションペーパーにまとめ、国内外の学会で発表し、そして、そこで得た助言をもとに研究の完成度を高め、学術雑誌への投稿を目指す。
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