研究課題/領域番号 |
23K01463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
丹波 靖博 西南学院大学, 経済学部, 教授 (60421260)
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研究分担者 |
大石 桂一 九州大学, 経済学研究院, 教授 (10284605)
原口 健太郎 西南学院大学, 商学部, 准教授 (40846523)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 地方債スプレッド推定 / 信用リスク / 機械学習 / 投資戦略 / リスク管理 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,日本の地方債市場は金融機関の投資対象や地方財政の財源として重要性を増している。本研究では,「日本の地方債市場の健全な発展の要件は何か。」について,機械学習により地方債の収益性を表す金利水準を推定することで個別地方債のリスクを計測し,リスク要因の特定を行う。また,地方債における投資戦略と収益性評価,およびリスク管理方法について考察し,地方債銘柄についての有利な投資戦略と管理方法について考察することで,市場の透明性向上と活性化の実践を試みる。
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研究実績の概要 |
以下の通り日本の地方債研究についての研究発表を行った。 日本の地方債市場における公募債・非公募債の投資行動の時系列変化とイベント分析 丹波靖博 九州会計研究会 2024年5月11日、CAAでの研究発表に向けた研究の中間報告2 丹波靖博 西南学院大学会計・ファイナンス・データサイエンス研究会(SAFIDS) 2024年4月25日、CAAでの研究発表に向けた研究の中間報告1 丹波靖博 西南学院大学会計・ファイナンス・データサイエンス研究会(SAFIDS) 2024年3月28日、機械学習やXAIを用いた研究と経済領域への適用可能性について 丹波靖博 西南学院大学会計・ファイナンス・データサイエンス研究会(SAFIDS) 2023年11月14日、日本の機械学習アルゴリズムによる新型コロナウイルス感染症の影響に関する分析 丹波靖博 西南学院大学会計・ファイナンス・データサイエンス研究会(SAFIDS) 2023年10月18日日本における新型コロナウイルスの地方債市場への インパクトとリスク管理に関する考察 、丹波 靖博, 原口 健太郎, 大石 桂一 ゆうちょ財団論文報告会 2023年8月3日、社債スプレッド推定モデル構築にともなう候補変数の抽出 丹波靖博 西南学院大学会計・ファイナンス・データサイエンス研究会(SAFIDS) 2023年7月15日
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究スケジュールのうち、「1)地方債の信用リスクを表す重要な財政・市場指標を特定,歴史的イベントにおける説明力と安定性を検証,地方公共団体間の信用リスクの差を検証する。」について分析を進めている。①2009 年以降の長期データにて結果の安定性の検証を行う。仮説「長期データにおいても残存年限,実質公債費率,クーポン金利の3変数のリスク要因により決定係数 0.8 以上を維持できる」を検証する。→2009年から2020年の各年のデータにて分析を終了済み。特殊なケースを除いて決定係数がおおむね0.8以上を維持できることを検証した。②金利・マクロ経済・景気・税収などを説明変数に追加し検証を行う。仮説「マクロ経済指標などを説明変数に追加した場合,決定係数は①モデルよりやや改善され 0.9 以上を維持できる」を検証する。→現在主要なマクロ指標のデータ構築を行いモデルの検証を行った。計算リソースの限界を考えながら追加のマクロ指標の導入検討を進めている。③歴史的重要イベントにおけるリスク要因とモデルの安定性の検証を行う。仮説「大イベント前後で短期的にリスク要因が大きく変化し,投資行動に変化を与える」を検証する。→日本の公募地方債においては2015年と2016年の間に構造的な変化が起きていることを確認した。一方非公募債については構造的な変化が見られないことを確認した。④XAI を用いて,より詳細な投資行動の変化の分析と要因の考察を行う。仮説「大イベント前後で地方債は短期債にはリスク回避的売り,中長期債には安全資産としての買いが見られ,XAI を用いることで大イベントに対するリスク要因と投資行動の変化をある程度予想することができる」について検証する。→マイナス金利導入前後の影響分析を2015年と2016年度の公募債データを用いて、XAIの各分析を実施し、構造変化の要因について考察を行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究スケジュールについて以下の通り研究を進める予定である。 1)信用リスク評価の観点から,地方債の信用リスクを表す重要な財政・市場 指標を特定,長期・歴史的イベントにおける説明力と安定性を検証,地方公共団体間の信用リスクの差を検証する。 →「②長期データでのモデル化において,金利・マクロ経済・景気・税収,より良い流動性指標などを説明変数に追加し検証を行う。仮説「マクロ経済指標などを説明変数に追加した場合,決定係数は①モデルよりやや改善され 0.9 以上を維持できる」を検証する。」について計算リソースの限界を考えながら追加のマクロ指標の導入検討を進め、より精緻なモデル構築と考察を行っていく予定である。 2)収益性の観点から,金融機関の地方債投資における有効な投資方法と収益性の差を検証する。3)リスク管理の観点から,地方債投資におけるリスク管理の方法を提示する。 →上記1)の分析を終えた後2)3)についての分析を進める予定である。
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