研究課題
基盤研究(C)
19ー20世紀イギリス社会の事例に即して、ノブレス・オブリージ(N.O.)現象の近代化について研究する。前近代社会において王侯貴族をはじめ名望家層による寄進によって成立していた慈善施設の経営基盤が、経済社会の近代化過程でどのように変容したか、に照準を合わせる。特に、王族によって設立された「病院」を事例に分析する。資産集積のあり方、運用資金の調達の仕方(増設の際の資金調達方法などを含む)、施設管理のあり方、勤務する医師・職員の雇用のあり方、等について、その変容過程を分析、国家財政との関係性の変化等にも顧慮して、現代でも重要な社会的役割を果たすノブレス・オブリージの経済分析視角を定立する。