研究課題/領域番号 |
23K01492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
小田 秀典 京都産業大学, 経済学部, 教授 (40224240)
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研究分担者 |
齊藤 健太郎 京都産業大学, 経済学部, 教授 (10387988)
山内 太 京都産業大学, 経済学部, 教授 (70271856)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 実験歴史学 / 所得再分配の実験研究 / 再分配実験 |
研究開始時の研究の概要 |
日本近世の一揆と英国近代の労働争議の歴史研究であり,史料研究に基づいて設計される再分配ゲームの実験研究を推進する.実験経済学研究としては,実験結果の検証と含意を経済史に求める点に,経済史研究としては,歴史の理論化を経済実験によって進める点に,新しさがある.最近の実験哲学の知見を取り入れて,一揆や争議の当事者たちの意思決定(史料に基づいて,その理由や意図が推測される)を,当事者たちの認知と属する社会の特徴(実験参加者の特性と実験の設定で代表される)から説明することを目指す.
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研究実績の概要 |
研究組織の3名は,毎週,共同で研究会主催し,院生および研究組織に属さない教員を加えて,日本17世紀から19世紀の一揆と英国19世紀から20世紀の労働争議についての歴史研究を進めた.研究代表者は,2024年3月5-6日に京都産業大学で研究会「実験経済学と哲学の交流」を主催し,共同研究者(斉藤)が研究組織「実験経済学の試み」として本研究の目的と進捗状況を発表し,参加者と討論をした.
2024年の研究の中心は一揆と労働争議に関する既存研究のサーベイであり,本研究独自の成果として提出できるものはまだないが,一揆と労働争議の発生率の推測に関して進展があった(発生率を知るためには,発生回数だけでなく,発生可能でも発生しなかった回数を知る必要がああるので困難だった).推測される発生率は,当初に想像していたより低い一方で,実験室実験(予備実験)で実現される再分配の争いの発生率がかなり高いことで,これについての調節が現時点での課題と認識している.
実験の実装化に手間取ったが,プログラムが完成し,2024年度中に実験を実施する目処がついた.上述の発生率の問題に加え,基本的には当初計画通りの実験であるが,単独決定者(領主あるいは経営者)と共同決定者(農民あるいは労働者)の役割決定のありかたが,単独決定者の優位性に対する公平感に影響し,再分配(一揆あるいは労働争議)の意思決定に影響する可能性があり,複数の役割決定方式を試す予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験プログラムの実現に予想以上に手間取ったため.
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今後の研究の推進方策 |
実験の開始がややおくれたが,2024年度に実験を実施して,計画のおくれを取り戻すことは十分に可能である.
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