研究課題/領域番号 |
23K01494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 宮城学院女子大学 |
研究代表者 |
長谷部 弘 宮城学院女子大学, その他部局, 学長 (50164835)
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研究分担者 |
張 テイテイ 東北大学, 経済学研究科, 特任助教 (60803046)
山内 太 京都産業大学, 経済学部, 教授 (70271856)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 蚕種業 / 蚕種市場 / 養蚕書 / 伏黒村 / 上塩尻村 / 同族団 / 市場と制度 / 共同性 / 市場経済 / 近世日本 / 奥州信達地方 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、すでに述べたような研究史的状況の中で、地域的な共同性・複合生業的技術集積性・蚕種の長期取引活動など、独自の研究成果から着想したものであり、近世蚕種業における二大「産地」であった奥州伊達地方ならびに信州上田地方の蚕種業について、蒐集済み/蒐集中の一次史料を分析することによって新たな歴史学的実証研究の試みようとするものである。その調査研究は、主に旧上塩尻村の佐藤善右衛門家・佐藤嘉平治家・原与一家の家文書(蒐集・撮影済み。利用可能)、旧伏黒村の佐藤与惣左衛門家・佐藤孫左衛門家・富田勘之丞家の家文書(調査・整理中)を用いつつ、三年間の研究期間において設定した三つの作業課題を実施する。
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研究実績の概要 |
本研究では、研究期間内に、1)地域社会における共同性の構造に着目した制度的特性要因の解明作業、2)蚕種業を担った種師・蚕種家(蚕種製造業者)達の複合 生業的な技術集積性の特性要因の解明作業、3)長期的継続的な蚕種販売をめぐる市場取引上の特性要因の解明、という三つの課題を達成することを目的として実施している。2023年度は、特に作業課題の1)を主要な目的として調査研究を試みた。旧伏黒村の村落的共同性の構造的特徴について、上田上塩尻村の事例分析を踏まえながら、『養蚕業の発達と地主制』(1958年)で充分検討されなかった行政支配的共同性(村方、五人組組織など)や経済的共同性(蚕種家の組や仲間、販売ネットワー ク)、そして社会 生活的共同性(同族や家系の構造と変化)についての情報収集を行った。まず、市教育委員会の協力を得ながら旧伊達町史編纂室で収集した情報尾よび資料確認の作業に着手したが、現地の旧伏黒村内旧佐藤一族、また旧富田一族、そのほか旧小野一族等の同族関係について、現地の関係者の事情から結果的に準備調査を行うにとどめ、次年度(2024年度)に実施することとした。その代替作業として、福島県立歴史資料館所蔵の関係資料調査を行い、小野一族と佐藤一族に関する関連情報を獲得することができた。また、関係者から得た佐藤与惣左衛門家の18世紀前半から150年にわたる養蚕日記の記録をもとに、伊達町史資料集と付き合わせながら、養蚕経営の長期分析作業を行うことが可能となった。また比較対象地域でもある上田上塩尻村(藤本蚕種歴史館)の資料調査も実施した。それらの分析結果のまとめと学会等での公表は次年度の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要でも触れたが、今年度予定していた伊達市の資料調査および現地情報の調査の実施が関係者関係機関の事情で次年度繰延になってしまったため、本年度は福島県立歴史資料館や長野県上田市藤本歴史資料館等での関連文書調査を行うことが中心となった。本格的な調査は、作業課題の2)と3)の作業と並行しながら、実施することになる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(2024年度)に、本年度準備して繰延べることとなった福島県伊達市の調査を実施するとともに、蚕種業を担った種師・蚕種家(蚕種製造業者)達の複合生業的な技術集積性の検討に必要な資料調査および長期的継続的な蚕種販売をめぐる市場取引に関する資料調査を行い、期間内に課題の分析と検討を進める予定である。
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