研究課題
基盤研究(C)
戦前日本の自由営業型医療体制が死亡抑制に与えた正負両面の効果を、1920-30年代医療従事者統計と死亡統計に県内総生産統計を加えたデータベースを構築し、パネル分析により検証する。医療体制の指標は医師・薬剤師・助産婦数をとり、死亡統計は乳児死亡率を新生児と新生児後(生後1か月以上)に分解し、疾病は水系感染症・小児性疾患・結核に分類する。これらをいずれも府県別/市郡別で、県内総生産系列もそれに合わせた市郡別への分割を試みる。これら死亡リスクに対する医療体制の効果を地域経済の発展と構造変化の影響とともに計測し、医療体制がもったであろう正負効果の最終バランスがどちらに傾いていたかを明らかにする。