研究課題/領域番号 |
23K01497
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
唐澤 達之 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (10295438)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 都市史 / 水道 / 19世紀 / ロンドン / 近代 / 都市ガバナンス |
研究開始時の研究の概要 |
近代化にともなう都市問題が集約的に表れた19世紀ロンドンでは、重要な都市基盤の1つである水道事業は基本的に民営であったが、本研究は、民営水道会社が果たした歴史的役割の再検討を目的としている。このために、ロンドンにある文書館(ロンドン・メトロポリタン・アーカイヴズやナショナル・アーカイヴズなど)において史料を収集し、19世紀ロンドンの水道会社の経営分析を通じて水道事業の企業ー地域類型を析出するとともに、水道事業を取り巻く多様なアクター(水道会社、顧客、給水エリアの教区会、国家など)の相互関係を実証的に明らかにすることで、都市ガバナンスという観点から水道事業の歴史的特徴を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、歴史上近代化にともなう都市問題が集約的に表れた19世紀のロンドンにおける基盤整備、特に水道事業を取り上げ、都市ガバナンスという観点から再検討することを目的としている。近世以降1902年の首都水道法によって公的管理下に置かれるまでロンドンの上水事業を担ってきた民営の水道会社を、水道事業に関わる多様なアクターの相互作用のなかに位置づけてその歴史的役割について再検討し、近代都市においてガバナンスが問題となる歴史的文脈を明らかにしようとするものである。 4年間の研究期間の前半は、代表的な水道会社のなかから、チェルシー水道会社(1723年設立、給水エリアはウェスト・エンド)とイースト・ロンドン水道会社(1807年設立、給水エリアはイースト・エンド)を主たる研究対象として選び、古参企業と新規参入企業の比較と、給水エリアの対照的な社会経済構造(富裕なウェスト・エンドと貧しいイースト・エンド)が経営に及ぼす影響に留意しながら、水道事業の企業-地域類型を析出することを課題としている。 研究期間の1年目にあたる2023年度は、ロンドン・メトロポリタン・アーカイヴズにおいて、チェルシー水道会社の主要な経営史料の収集をほぼ終え、さらにイースト・ロンドン水道会社の経営史料の一部も収集することができた。前者の会計記録についてはデータベースの作成をほぼ終え、後者については株主のデータベースの作成を進めた。 また、個別の水道会社についての実証的研究をロンドンの水道事業全体のなかに位置づけるために、19世紀ロンドンの水道事業全体について、給水サービスの内容と給水事業の制度的枠組みをめぐる論点を中心に整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、ロンドン・メトロポリタン・アーカイヴズにおけるロンドンの水道会社関連史料の収集と、それらの会計記録のデータベース化を進めることができた。 また、19世紀ロンドンの水道事業全体について、給水サービスの内容と給水事業の制度的枠組みをめぐる論点を中心に整理した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、研究期間の2年目にあたる2024年度は、引き続きロンドン・メトロポリタン・アーカイヴズにおいて、イースト・ロンドン水道会社の理事会議事録、総会議事録、会計記録の収集および分析を行う。これらの作業に基づいて、水道事業の企業-地域類型を析出する。 19世紀後半のチェルシー水道会社の経営分析と、19世紀ロンドンの水道事業全体に関する論点整理について、それぞれ論文を執筆する予定である。
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