研究課題/領域番号 |
23K01500
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
大豆生田 稔 東洋大学, 文学部, 教授 (20175251)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 米穀市場 / 米穀検査 / 規格化 / 米 / 産業化 / 商品流通 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、産業化により全社会的な変容が急速に進んだ19C末~20C初頭(「当該期」)の日本において、最大の農産物であり普遍的な消費物資であった米に着目し、その国内市場再編の過程を、主要な産地、及び消費地の動向を具体的に探りながら解明する。 その際、全国の主要な米産地に普及した米穀検査に注目する。米穀検査は、品種の斉一性や、容量、俵装などを商品として客観的に検査・規格化し、合否を判定し、また等級を付すことにより、大都市などの消費市場における取引の円滑化を促進し、評価を高めることを目的とした。この米穀検査の進捗について、産地の取組や、消費地に至る取引を実証的に解明することにより課題への接近をはかる。
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研究実績の概要 |
本研究は、産業化により全社会的な変容が進んだ19C末~20C初頭の日本において、同時に本格化した米不足、及び不足を補填する輸移入米の急増が国内米穀市場に与えた影響に留意しながら、米穀市場が再編成される過程と、その特質について解明することを目的とする。研究実施計画に即して、当該年度の研究成果の概要を下記に述べる。 1.東北・北陸産米の、国内米穀市場への対応と規格化に関し、まず、①秋田県南部地方において、「腐米改良」事業から米穀検査事業への展開について、明治中期~日露戦後期を対象とし、主に、「秋田県庁文書」を調査・収集して、県行政が「腐米改良事業」の再検討、米穀検査事業の開始等により、国内米穀市場にどのように対応しようとしたか検討した。関連して、②越中米産地である富山県地方の産米規格化に関する史料収集を行った。また、③国内市場の再編に関連して、産地・地方都市における米穀取引の実情を理解するため、金沢の定期米市場(米穀取引所)に関する史料を収集した。 2.米国公文書館において、米国領事らによる、日本本国・植民地の農業・食糧事情、米麦の輸出入、内外の米麦取引等に関する報告書を調査・収集した。北海道市場の、消費地・産地としての特質と変容、および国内市場におけるその位置づけについては、主たる作業を次年度に移した。 3.6大都市の筆頭に位置する巨大な消費地であり、また集散地としての機能も有する東京市場を対象として、1900年前後~1920年前後における輸入米(外米)取引、すなわち国内市場における外米輸入・外米取引の実態や特質について、米穀取引所における定期米取引等に留意して検討した。また、1910年代末~1920年代の外米消費の実態と変貌を、千葉県を対象に解明した。このため、同時代の新聞・雑誌記事、貿易統計、公文書、調査報告書、先物取引関係の文献資料等を収集・分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の夏休みに、米国国立公文書館(ワシントンDC)における調査を実施し、北海道市場に関する史料調査等の作業は、次年度に移行した。1920年代~30年前後に、他国の外交官が作成した、本研究課題に関する調査報告書は、国際的・俯瞰的な視点によるものである。本研究課題の解明に有効であると判断し、調査を先行した。当初予定した、北海道市場に関する史料調査等の作業は、次年度の夏休みに実施する予定であり、無理なく当初の研究計画を実施することができる。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進展しており、今後も、本研究課題を達成するため、当初の研究計画に即して研究を推進していく。現時点で、研究計画の変更、研究遂行上の課題等はない。
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