研究課題
基盤研究(C)
近年、ドイツに関する原子力研究が数多く発表されてきた。しかし、それらの成果の中でも経済史研究は意外なほど少ない。また経済史研究においても、NPT(核拡散防止条約)と関連させて分析されているものは見受けられない。これまでNPTとは安全保障をめぐる国際条約と理解されており、NPTが原子力の平和利用を推進しているという経済的側面については重視されてこなかったからである。本研究はそうした背景を踏まえ、1970年に発効したNPTによって形成された体制の中で西ドイツ原子力産業はどのような成長と停滞を経験したのかについて実証分析を行う。その分析を通じてドイツの脱原発前史の多面的な展開を明らかにする。