研究課題/領域番号 |
23K01504
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
河崎 信樹 関西大学, 政策創造学部, 教授 (70512705)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | レーガン政権 / 自動車 / 輸出自主規制 / 保護貿易政策 / 公正貿易論 / 日米自動車摩擦 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではレーガン政権期(1981-1989年)における対日自動車政策の分析を課題にしている。レーガン政権は日本に対して自動車輸出の自主規制を要求した。この要求を受け、1981年から日本は輸出自主規制を実行した。当初、自由貿易主義を重視していたレーガン政権は、なぜ日本に対してこうした保護主義的な政策を要求したのか。そして実行後も、そうした保護主義をなぜ擁護したのか、自由貿易主義の下でどのように正当化の論理を生み出していったのか。本研究では、こうした問題を考察することを通じて、1980年代にアメリカが自動車産業をめぐって保護主義的な貿易政策を採用していくことになったプロセスを明らかにしていきたい。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、R・レーガン政権期の対日自動車政策の形成と展開及びその正当化の論理について考察する点にある。この研究課題の分析を進めるためには、①レーガン政権における自動車輸出自主規制の対日要求の形成プロセス(1981年)、②1985年における輸出自主規制の延長をめぐる問題、を明らかにした上で、③その正当化の論理としての「公正貿易論」の展開、を明らかにする必要がある。
本年度は主として①③に関わる研究を進めた。まず①については、レーガン政権の政策的な前提を形成するカーター政権の対日自動車政策について考察した論文を1本公表するとともに、アメリカ学会において研究報告を行なった。これらの研究を通じて、カーター政権と対比し、レーガン政権の特徴を明確に示す足がかりを構築することができた。またアメリカ連邦議会図書館(ワシントンD.C.)が所蔵する、レーガン政権期の財務長官であったD・リーガン及び国務長官であったA・ヘイグの未公刊資料の調査を行い、必要な文書の収集を行なった。帰国後、収集した文書の分析を進めた。両者は1981年1月から3月にかけて形成された輸出自主規制の対日要求の形成プロセスで重要な役割を果たしていた。特にリーガンは、自由貿易主義を重視する立場から輸出自主規制に強く反対しており、その主張の根拠及びレーガン政権内の対立構造を検討することができた。
③に関連して、レーガン政権による保護貿易政策の遂行をめぐる当時のメディアによる報道の検討も行なった。メディアによる論評を考察することを通じて、レーガン政権による保護貿易政策の正当化の論理とその受容のあり方について考察を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アメリカ連邦議会図書館において、レーガン政権期の対日自動車政策の形成プロセスにおいて重要な役割を果たしていたレーガンとヘイグの未公刊資料の調査を予定通り遂行することができた。その際に収集した文書の分析も順調に進めている。またカーター政権の対日自動車政策に関する研究も進めることで、レーガン政権の特徴をより明瞭に示すことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度に引き続き、①レーガン政権における自動車輸出自主規制の対日要求の形成プロセス(1981年)、②1985年における輸出自主規制の延長をめぐる問題、③「公正貿易論」の展開の分析を進める必要がある。
2024年度については、以下の点を中心に研究を進めていく計画である。まず①の点に関わる資料分析を進め、年度内に論文の形で公表することを目指す。次に①②のテーマに関する資料収集を進める。具体的にはレーガン大統領図書館(カリフォルニア州)、アメリカ国立公文書館(メリーランド州)、アメリカ議会図書館(ワシントンD.C.)において関連する資料の調査・収集を行う。そしてその分析の成果を、2025年度中に論文として投稿できるように、研究を推進する予定である。
|