研究課題/領域番号 |
23K01517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
大内 紀知 青山学院大学, 理工学部, 教授 (10583578)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | プラットフォームビジネス / ネットワーク効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,プラットフォームビジネス(PFB)における負のネットワーク効果の定量的分析とそれに基づくシミュレーションにより,PFBに関する有効な知見を得ることを狙いとする.PFBでは,ネットワーク効果が存在するためユーザ数の確保が競争優位性につながる.しかし,近年,ユーザ数が十分に多いプラットフォーム(PF)でも,ユーザが利用を止める例などが目立ち,ネットワーク効果の負の効果が注目されている.本研究では,ユーザ数の増加に伴う悪意あるユーザの増加や,嗜好の異なるユーザの増加がPFの価値に与える負の効果を明らかにし,その上で,どのような戦略がPFの競争優位性の確保に有効かを検討する.
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研究実績の概要 |
本研究は,プラットフォームビジネス (PFB) における負のネットワーク効果の定量的分析とそれに基づくシミュレーションにより,PFBに関する有効な知見を得ることを狙いとする.PFBでは,ネットワーク効果が存在するためユーザ数の確保が競争優位性につながる.しかし,近年,ユーザ数が十分に多いプラットフォーム (PF)でも,ユーザが利用をやめる例などが目立ち,ネットワーク効果の負の効果が注目されている.本研究では,ユーザ数の増加に伴う悪意あるユーザの増加や,嗜好の異なるユーザの増加がPFの価値に与える負の効果を明らかにし,その上で,どのような戦略がPFの競争優位性の確保に有効かを検討していく. 3年計画の初年度である令和5年度は,悪意あるユーザの増加に対応するための「ユーザ管理の厳格さ」が「ユーザの質」や「ユーザの手間」に与える影響,それらが「PFの価値」に与える影響を検討するため,フリマアプリの利用に関するアンケート調査を実施し,それらのアンケートデータを基に共分散構造分析を行った.分析結果から,PFの成長の初期段階と後期段階によるそれぞれが与える影響の違い違いを明らかにした. さらに,嗜好の異なるユーザの増加の影響に関連して,ファッションECモールを対象にしてユーザが他のユーザに対して抱くイメージが与える影響について,アンケート調査から得られたデータに対して共分散構造分析を行うことで明らかにした.これらの研究成果は国際学会,国内学会で発表している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は「(分析A) ユーザレビューなどのテキストデータにテキストマイニング手法を活用した分析」と「(分析B) アンケートデータに対して統計解析手法を用いたユーザのPF利用の意思決定・価値評価の分析」を実施し,それを踏まえて「(分析C) マルチエージェントシミュレーションを用いた分析」を3年計画で実施する予定である.計画1年目は(分析A),(分析B)のデータ収集,試行分析を行う計画であった.(分析A),(分析B)ともデータ収集,試行分析とも予定通りに進んだ.さらに,(分析B)については,試行分析の結果を踏まえ,分析モデルの改良,分析の見直しなども行い,それらの研究成果を国際学会,国内学会で発表することができた.以上を踏まえて,当初の計画に比較して「おおむね順調に進展している」とした.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,ユーザ数の増加に伴う悪意あるユーザの増加や,嗜好の異なるユーザの増加がPFの価値に与える負の効果について,フリマアプリ,ファッションECモールを分析対象とし,アンケートデータに対して統計解析手法を用いたユーザのPF利用の意思決定・価値評価の分析を実施した.これらの成果を引き続き国際学会,国内学会で発表し,様々な研究者からの意見を研究へフィードバックすることで研究を推進する.また,ユーザレビューなどのテキストデータにテキストマイニング手法を活用した分析についても,データ収集・試行分析は行っており,これまで構築した研究者ネットワークを最大限活用し,それらの試行分析の結果について議論する場を設け,様々な視点からの意見を取り入れながら研究成果としてまとめていく.
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