研究課題/領域番号 |
23K01521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
山崎 憲 明治大学, 経営学部, 専任准教授 (80885301)
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研究分担者 |
石塚 史樹 明治大学, 経営学部, 専任教授 (40412548)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ジョブクラフティング / 連携タスク / AI / コロナ禍 / 在宅ワーク / 高業績ワークシステム(HPWS) / ICT / プラットフォームビジネス / タスク |
研究開始時の研究の概要 |
高業績ワークシステムに基づく人的資源管理がグローバル規模で拡大する一方で、ICT(情報通信技術)およびAI(人工知能)等の発達を背景として、複数の企業および企業内外の個人が短期間に連携してプロジェクト方式で働くことが急増した。これにより、戦略立案や連携を担う上層の企業とそこで働く労働者と、単純業務を担う下層の企業とそこで働く労働者とに分離されるリスクが拡大した。この状況下において、企業が組織効率の最大化のために実施するHRMの方針とその帰結、企業内の労働者の人間的関心、企業外の社会の倫理的関心との対立により必要となる利害調整のプラクティスの類型を、当事者に対する現地調査により探りだす。
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研究実績の概要 |
初年度は文献整理を目的とした研究会を実施した。研究会には研究協力者である三菱総研、研究員である山藤昌志氏の参加を得て議論を重ねた。 文献整理は、調査項目である「調査項目、個別企業のHRM施策、タスク、ワークフロー、職業訓練、各国政府の施策、労使関係」に沿って行っており、とくにタスクとワークフローについては「ジョブクラフティング」の概念のなかに連携タスクが存在することを見出したことが大きかった。 また、パイロット的に日本企業の管理職にジョブ、タスク、ワークフローに関する調査を研究会の場で実施した。ここで得られた成果は、コロナ禍でタスクとワークフローが現実に変化してきた姿であった。具体的には、在宅ワークの割合が多くなったことに起因する変化である。同時に、労働時間管理に関するコンプライアンス上の制約が大きくなったことも明らかになった。プロジェクト単位で一定量の業務を複数の従業員が分担する。その際に定められた労働時間総数に合わせて業務量を設定するようになったという。在宅ワークであっても連携タスクが必要になる。在宅ワークが必ずしも多くないときには日常的なコミュニケーションのなかで連携タスクの役割についてマネージャーが判断していた。しかし在宅ワークが多くなるとそうしたコミュニケーションの機会が失われている。とくに新規採用や他部署からの異動者とのコミュニケーションの機会がなく、連携タスクの構築に時間がかかるとのことであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展しているといえるが、当初想定していなかった新しい分野である「ジョブクラフティング」に出会ったことにより、タスクに関するとらえ方を再検討する必要がある。そのため、文献整理について継続的に行っていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は①から⑤実施する。 ①HPWSに関する聞き取り調査(戦略との関係、採用、評価、報酬、タスクとジョブ、ワークフロー、訓練、労使関係、アウトソース、RPA、企業間連携)。GE、Google、イーライリリー、ジーメンス等のグローバル企業を対象。②各国政府の施策の聞き取り調査(単純タスクを担う労働者の雇用確保、職業訓練、個人請負)。アメリカ連邦労働省、ドイツ連邦雇用庁。③TVCsを包括した新しい労働組合の聞き取り調査。アメリカAlphabetワーカーズユニオン、ドイツYoutuberユニオン。④ネットワーク型ビジネスモデルに対応した利害調整の方向性に関する調査。具体的には労働省、州政府、労働組合、および関連研究機関への聞き取り調査⑤OECD、ILOへのSDGsに対応した規制に関する聞き取り調査 初年度は文献整理を行ったが、ジョブクラフティングを視野に入れつつ、文献整理を2年度も継続して行う。2年目以降は①、②に関する現地調査、③、④、⑤の現地調査を継続して行う予定である。また、パイロット調査で得られたコロナ禍における変化を分析視覚に加えつつ、研究を進めていく所存である。
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