研究課題/領域番号 |
23K01535
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
五十嵐 伸吾 九州大学, 学術研究・産学官連携本部, 教授 (00403915)
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研究分担者 |
田路 則子 法政大学, 経営学部, 教授 (00322587)
福嶋 路 東北大学, 経済学研究科, 教授 (70292191)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アンカー企業 / スピンアウト / 地域 / 企業ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
地域の主要企業であるアンカー企業が縮小・閉鎖されると、地域経済の停滞につながることが多い中で、いくつかの地域では縮小・閉鎖の後、元従業員たちが新企業を設立し、地域経済の復活貢献し、エコシステム構築に乗り出すことが起こっている。このような現象はなぜ、どのような条件の下で生じるのであろうか。本研究は、アンカー企業の縮小・閉鎖から、新規創業の増加、さらにエコシステム形成に向かうことのできた地域をとりあげ、そのまま衰退に向かった事例をも視野に入れつつ、そのような現象が起こる条件やメカニズムについて考察していく。また本研究では、このような現象を第三者の視点と当事者からの視点によって複眼的にとらえていく。
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研究実績の概要 |
地域の主要企業であるアンカー企業が縮小・閉鎖されると、そのまま地域経済の停滞につながることが多い中で、いくつかの地域では縮小・閉鎖されたアンカー企業の元従業員たちが新企業を設立し、地域経済の復活に貢献したり、エコシステム構築に乗り出したりということが起こっている(例えばフィンランドのオウル市(ノキア社)、カナダのウォータールー市(RIM社)、米国のロチェスター市(コダック社))。このような現象はなぜ、どのような条件の下で、どのように生じるのであろうか。本研究は、アンカー企業の縮小・閉鎖から、新規創業の増加、さらにエコシステム形成に向かうことのできた地域をとりあげ、そのまま衰退に向かった事例をも視野に入れつつ、そのような現象が起こる条件やメカニズムについて考察していく。また本研究では、このような現象を、第三者の視点と当事者からの視点によって、複眼的にとらえていくことを目的としている。 初年度の2023年度は、アンカー企業であるアルプス電気盛岡事業所(盛岡工場)OBが保有していた更新続けられているOB名簿を提示してもらい、了解のもとそのリストに従いOBの対するインタビューを実施した。加えて、元従業員が起業したスタートアップ企業に加えて、そこから再度スピンアウトした企業の創業者、元従業員が起業したスタートアップ企業と取引関係がある企業関係者などにインタビューを実施し、その結果をプロシーディングとしてまとめ、学会等で発表し、助言を得ることで理論構築に向けての準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
アンカー企業の元従業員が作成しているOBリスト、元従業員のからの他のOBへの紹介など本研究に対する積極的な協力もあり、インタビューを前倒しに進めることができ、その成果を下記のように学会発表等を行った。学会においても好意的に捉えられ有意義なフィードバックが獲得できた。 1.ディスカッションペーパー / 「アンカー企業喪失後のスピンアウトの出現:既存事例のレビュー 」、福嶋路、TMARG Discussion Papers 148 1-37 2023年10月 2.学会発表 / 〇「アンカー企業の喪失後の分かれ道 -衰退かスピンオフ出現かー」、 福嶋路, 田路則子, 五十嵐伸吾、企業家研究フォーラム 2023年度年次大会 2023年7月9日 〇「スピンオフ・ネットワーク形成のメカニズム:事業停止が生んだ水平的なスピンオフ間関係 」、田路則子, 福嶋路, 五十嵐伸吾、2023年度組織学会研究発表大会 2023年6月25日、〇"Spinoff Network Formation and Development Resulting from Business Suspension in a Rural Japanese Region," Taji,N., Fukushima,M. and Igarashi,S, RENT2023,Gdansk,Poland.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度実施したインタビューの後、共同研究者間の議論で生じた疑問、学会発表のフィードバックで提示された新たな視座をもとに、新たなインタビビューを試みる、一方で、インタビューを行った元従業員に対しても、再度不明点を聞き取り調査を行う。 加えて、本研究の目的である、第三者の視点と当事者からの視点によって、複眼的にとらえていくために、地域の行政、大学等研究機関、地域の他の企業あるいは元従業員でスピンアウトを選択しなかった者等への調査を試み、より立体的・俯瞰的な研究に昇華させる
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