研究課題/領域番号 |
23K01537
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
河合 篤男 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10275117)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | イノベーションの原動力 / 革新性の程度 / 戦略駆動力 / 主体的選択論 / イノベーション / 革新的経営者 / 原動力 |
研究開始時の研究の概要 |
既存の価値体系や周囲の反対を覆すような意思決定と行動を求められる局面に置かれた経営者が、どのような思考の「準拠枠」と「心情」とに駆動されるのかを明らかにする研究である。とくに「革新性の高いイノベーション機会」を経験した経営者に対する定性的調査から、その意思決定と行動の源泉として説明力のある変数を抽出して、検証のための定量的調査を展開する。それを通じて、「準拠枠」要因と「心情」要因の2要因の関係性を描き出す。
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研究実績の概要 |
革新性の高いイノベーションを起こす経営者の原動力を探求する手がかりとして、加護野(2003)による「戦略駆動力」の概念を設定している。この概念は、企業における「集合的な志」と表現され、当該企業の戦略創出と実行の原動力と位置づけられる。とくに、主体的選択論(環境決定論に対置)的な意思決定を支えるものと考えられている。本研究の調査対象は経営層であるが、その存在は企業における「集合的な志」の中核であり、「集合的な志」は、経営層と社員との相互作用によって喚起(または減退)されるものといえる。そして、本研究における「革新性」の程度には、経営層と社員を取り囲む制度的要因との位置づけにおいて測定される側面がある。企業において、制度変容を含むラディカルな「革新性」をもたらす原動力として、「戦略駆動力」の概念枠組みからの説明を試みる。 上記の目標に向け、当該年度の研究としては、2年度以降のフィールドワークと質問票開発に向けたフレームワークの検討を中心に進めてきた。その過程で、調査対象企業の経営層と社員の認知面・情緒面での分析の必要性にクローズアップした(論文執筆済み)。この点で、「戦略駆動力」を醸成する成員に関するミクロ的に分析の軸に、多様な領域における「T型人材」としての程度に係る測定の重要性を仮説的に考えるに至った(論文執筆中・ミ未完)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フィールドワークと質問票開発に向けた、概念の整理と概念間の関連づけに関する議論・検討にやや長い時間を要してしまった。本来、この作業と同時並行して、革新性の高い経営者に対する定性的調査を展開するはずであったが、その作業にやや遅れが生じている。 しかし、フレームワークが整理され、(定性的調査と定量的調査の両面で)測定に係る概念の操作化が深化できたため、今年度、やや遅れている点を修正したい。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に検討した分析のフレームワークに依拠して、革新性の高い経営者に対する定性的調査を展開する。数件の定性的調査に基づき、第1に、革新性の高いプロジェクトに係るストーリー(集団組織・個人レベルの両面)をまとめあげ、革新性の程度に係る概念の操作化の妥当性を検討する。第2にに、革新性の高いイノベーションに通じる、認識面・情緒面の要因(集団組織・個人レベルの両面)に関する概念の操作化の妥当性を検討する。第3に、該当するプロジェクトの中心となる経営者と社員について、T型人材としての位置づけ(個人レベル)と、個人間の相互作用(集団組織レベル)に係る概念の操作化の妥当性を検討する。 上記の概念の関連づけを仮説的に検討し、質問票調査の開発を行う(第4のタスク)。
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