研究課題/領域番号 |
23K01576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
松本 雄一 関西学院大学, 商学部, 教授 (10336951)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 実践共同体 / トランスディシプリナリー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、企業や地域コミュニティの事例研究をもとに、周辺の人々や地域を学習活動へと越境させ、学びの共同体=実践共同体をもとにした組織の自発的・自律的な学習を促進する方法論について明らかにすることである。現場で学びの共同体を構築することで、自発的な学習活動が促進され、同時に他の組織や企業、地域社会とのつながりを生み出すという組織学習の方法論は、その有効性が研究されている一方、企業や地域の人々をどのように巻き込むかについては研究が進んでいない。本研究では学びの共同体による学習と企業や地域社会の人々を包含する組織マネジメント、リーダーシップのあり方、および地域社会との関わり方について研究を行う。
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研究実績の概要 |
当該年度は、研究成果としての人的資源管理論と人材開発論のテキスト、『ベーシックテキスト 人材マネジメント論Lite』『ベーシックテキスト 人材開発論Lite』を出版することができた。人的資源管理論においては、学びのコミュニティを促進するための人的資源管理活動についての理論的基盤を考える上で、理論を見直すことができたことは意義深かった。年度の最後には企業の人事関係者を集めたフォーラムに登壇することができたが、人的資源管理論の理論を学びのコミュニティにつなげる考えを共有することができたと考える。 人材開発論テキストは、個人の学び、組織の学び、そしてコミュニティでの学びという、実践共同体を基盤にした3つのカテゴリーという考え方を世に問うことができた。人材開発論の各種理論を整理するとともに、個人の学び、組織の学びでは難しいことが共同体での学びの必要性につながるという考え方としてまとめることができた。2冊の著書は教育のみならず、企業との協働、および調査を進める原動力にすることができると考える。 論文においては、まず英語の著書の1章として、単著の英語論文を発表することができた。これは海外での学会発表においても、自身の研究成果として参考文献にあげることができ、雑誌論文投稿への足がかりとすることができると考える。雑誌論文投稿は査読結果が帰ってきており、次年度は掲載に向けて改善していく。日本語論文ではコンフォートゾーンの考え方と実践共同体の関連性について議論した。まだ理論的基盤が定まっていない考え方を理論化する礎にできたと考える。 次年度に向けても著書出版の準備をしており、実り多い年度にすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の通り、研究成果として著書2冊、論文2本(うち英語論文1本)を完成させており、成果としては個人的には満足できるものが出せたと考える。 調査としては介護施設への調査はまだ機が熟しているとはいえず進めていないが、陶磁器産地の調査という形で、実践共同体の調査は進めている。また理論的基盤を整理するための論文を執筆しているほか、海外での学会発表が決まり、そのための論文執筆をはじめとして準備を進めている。 今後は介護施設にかかわらず、準備が整ったリサーチサイトから順に調査を進めていくことで、研究計画の進捗を目指していく。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進方針としては4点考えられる。まず1点目に、実践共同体の理論的基盤の確立である。実践共同体の理論は進展しており、特に実践共同体をもっと広い範囲でとらえる「実践の展望」という考え方を取り入れる必要がある。そのために論文を執筆しており、今年度中に発表する。 2点目に著書執筆である。実践共同体の考え方は研究書としては出版しているが、より実務家向けにポイントを押さえた著書の執筆を計画している。できれば今年度中に出版が実現できれば望ましい。現在準備を進めている。 3点目に学会発表である。ヨーロッパ経営学会で発表する機会を得たので、発表論文の執筆を進めている。そこにおいて学会発表を実現するとともに、情報収集を進めていきたい。 4点目に雑誌論文投稿である。前年度に投稿は実現させたが、掲載には至らなかった。その原稿を修正し、再投稿するよう準備を進めている。英語著書への論文を掲載することが実現したので、それを基盤に掲載を実現させたい。
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