研究課題/領域番号 |
23K01584
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
落合 康裕 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (70740679)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 中興の祖 / 経営者在任期間 / ファミリーアントレプレナー / 事業承継者 / 世代間比較 / ファミリービジネス / 経営革新 / 第二創業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、数世代継承されたファミリービジネスにおける「中興の祖」の生成メカニズムを明らかにしようとするものである。本研究では、「中興の祖」を「先代経営者から承継した事業(経営資源含む)を質的ならびに量的に著しく成長させた2代目以降(2代目を含む)の経営者」と定義する。「中興の祖」は、しばしばファミリービジ ネスで輩出されることがある。ファミリービジネスは、親子関係を含むファミリーメンバーによって事業が承継される経営組織である。 しかし、なぜ、限定的なファミリーメンバーの中から経営者を選抜するファミリービジネスにおいて「中興の祖」を輩出できるのか。これ が本研究の「問い」である。
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研究実績の概要 |
本研究は、数世代継承されたファミリービジネスにおける「中興の祖」の生成要因を明らかにしようとするものである。「中興の祖」は、しばしばファミリービジネスで輩出されることがある。しかし、なぜ、限られた一族の中から先代世代を超える「中興の祖」が輩出されるのか。これが本研究の「問い」である。
初年度は、以下二点についての作業を行なった。一つが、「中興の祖」という概念を内外の先行研究に位置付け、見過ごされてきた課題を明らかにする作業である。「中興の祖」の概念は、主にファミリーアントレプレナーシップ研究の分野で関連的に展開されており、関連研究の整理検討を行なった。先行研究では偉大な業績を上げる事業承継者の定義が抽象的(例えば、他の世代と比較し彼らの行動がどう異なるのか)であり、ファミリーの持株比率等の所有構造や経営者の在任期間にまで踏み込んで分析しているものが少ない。第二に、今後の分析の準備段階として、暫定的に「中興の祖」を抽出し、在任期間(10年以上)、ファミリービジネス区分との関係、業績との関係などについて、パイロット調査を行なった。第三に、初年度の一連の研究活動の総括として、事業承継年次大会(2023年度)にて研究報告を行った。また、その研究報告のプロシーディング(荒尾正和・後藤俊夫・落合康裕・西村公志(2023)「中興の祖」出現メカニズムに関する準備的研究」事業承継学会誌収録予定)の作成を行った。なお、初年度は学会報告を行う予定がなかったため、本件は大きな進捗である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、「中興の祖」輩出企業の特定作業、並びに分析用データベースの構築のための準備作業を行なった。
Quick社の有価証券報告書のデータを活用し、経営者の在任期間(10年以上)、ファミリービジネス区分との関係、業績との関係などについて、事前の調査を行なった。
併せて、サンプルで抽出された「中興の祖」の個別事例(当該経営者の経歴キャリア)について、社史、新聞、業界誌を用いて事前調査を行なった。本年度の調査は、来年度以降の本調査の下準備として位置付けられるものである。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、直近の有価証券報告書データを用いて、「中興の祖」の対象となる経営者と当該輩出企業を抽出し、その特徴を分析することである。具体的には、三点を計画している。 第一に、経営者在任期間、ファミリービジネス区分、企業業績などの相関関係を分析する。第二に、典型的な事例を抽出し、個別の事例研究を行い、「中興の祖」が当該企業で生み出される因果関係を分析する。第三に、一連の分析で得られた知見について、IFERA(2024年度リスボン/アクセプト済)と日本経営学会(2024年度中央大学/申請中)にて研究報告を行うことである。会場参加者との議論とフィードバックからの知見を研究に反映して本研究の考察を進展させることを目的としている。
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