研究課題/領域番号 |
23K01621
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
筒井 万理子 近畿大学, 経営学部, 教授 (40388492)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ユーザー・イノベーション / イノベーションの普及 / 医療機器 / 実践コミュニティ / 実践共同体 / 医療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ユーザーによって開発された製品が、ユーザー・イノベーションのアドバンテージを損なわれることなく、それを必要としているユーザーに採用されるための示唆を提示することである。 ユーザー・イノベーション研究では、その開発段階については研究が蓄積され成功事例も数多く報告されているものの、普及段階については十分に研究が行われているとは言い難い。本研究では医療分野におけるユーザー・イノベーションを調査・研究を通じて、ユーザー・イノベーションの実際とその普及における課題を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、ユーザーによって開発された製品が、ユーザー・イノベーションのアドバンテージを損なわれることなく、それを必要としているユーザーに採用されるに至るまでに克服すべき課題の解明とそのための施策の提示を目指している。 本年度の研究実績として挙げうる発見は、つぎの2点である。ひとつは医療機器ユーザーである医療従事者の医療機器への態度である。特に①ユーザーが新しい医療機器を採用する際の判断基準と、②ユーザーがユーザー・イノベーションを生み出す動機に注目し、その解明を試みた。 ユーザー・イノベーションにはユーザーが真に求めている機能が備わっているならば、広くユーザーに採用されるはずである。しなしながら、局所的にしか普及しないユーザー・イノベーションの事例が散見された。ユーザー・イノベーションの普及を妨げる要因は何であるか。これが本年度のもうひとつ研究成果である。製品によっては高額であるといった経済的理由が普及を阻む要因となることもあるが、調査の結果、多くの事例では製品の外部にその理由が存在していた。本研究ではそれを、ユーザーが医療機器を使用する現場に埋め込まれた、物的な要因・人的な要因の2つに類別した。物的な要因とは、主に他の製品や薬剤との兼ね合いである。そして人的な要因とはさらに2つに分けられ、それは医療機器使用に関する個人の暗黙知と、ユーザーの実践コミュニティに属する諸要因であった。これら研究成果の一部を、学会大会にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、医療分野のユーザー・イノベーションに該当する事例の収集ならびに医療分野における商慣行の抽出を中心に調査研究を行った。具体的には、①医療機器メーカー、医療機器商社へのヒアリング調査と、②資料調査である。資料調査では、質的データとしてユーザー・イノベーションに関する研究論文を収集・分析を行うとともに、質的データとして各製品売上高の収集・分析を行った。 現時点では、ユーザー・イノベーションを生み出した人物へヒアリングするには至っていない。その代わりに、ユーザー・イノベーションを生み出した人物によって公表された、当該イノベーションに関する資料・論文の入手・分析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、前年度に調査した事例を中心に、ユーザー・イノベーションの普及に影響する物的要因・人的要因の解明に取り組み、研究成果をまとめる。
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