研究課題/領域番号 |
23K01641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
横見 宗樹 近畿大学, 経営学部, 教授 (20388424)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 空港経営 / 新型コロナウイルス感染症 / 3国間流動 / 旅客流動データ / GDS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック(世界的大流行)が空港経営に与える影響に関して、その要因を定量的に明らかにすることである。 その特徴は、①既存研究では殆ど用いられることのなかった「旅客流動データ」を分析に使用すること、②(旅客流動データを用いることで初めて明らかになる)「3国間流動」に焦点を当てること、である。 GDS(Global Distribution System)をベースとする旅客流動データを活用することで、3国間流動(国際線同士の乗り継ぎ)がパンデミック下の空港経営にどのような影響を与えたかについて分析する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック(世界的大流行)が空港経営に与える影響に関して、その要因を定量的に明らかにすることである。その特徴は、①既存研究では殆ど用いられることのなかった「旅客流動データ」を分析に使用すること、②(旅客流動データを用いることで初めて明らかになる)「3国間流動」に焦点を当てること、である。GDS(Global Distribution System)をベースとする旅客流動データを活用することで、3国間流動(国際線同士の乗り継ぎ)がパンデミック下の空港経営にどのような影響を与えたかについて分析する。 英国の2010~20年における13空港の旅客あたり小売収入(Retail revenue)を対象とした定量分析の結果、国際線同士の乗り継ぎ旅客が多い空港ほど、旅客あたりの小売収入は低くなることが明らかとなった。このことは、パンデミック下の入出国規制のなかで通過需要である国際線の乗り継ぎ旅客を獲得しようとする航空会社は、できるだけ乗り継ぎ時間の短いフライトスケジュールを提供しようとしたことが影響しているのかもしれない。 パンデミックの影響については、2020年のダミー変数が負に有意となったことから、空港内の一部または多数の店舗閉鎖の影響を受けたことで、空港全体として旅客あたりの小売収入が減少した可能性が考えられる。 以上の研究成果について、英国リーズ大学の交通研究所(Institute for Transport Studies)のフィル・ウィート(Phill Wheat)教授と共同で、2023年7月に「ATRS2023」という国際会議で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の分析に不可欠となるOAG社の"Traffic Analyser"(旅客流動データベース)のライセンス契約を経て、分析のためのデータベースの構築も完了し、分析を通じた研究成果は、"2023 ATRS World Conference"という国際会議(2023年7月に神戸で開催)で、"Impact of the Covid-19 pandemic on airport management:Empirical study focusing on the connections between foreign countries using GDS data of air passengers in the world"というテーマで報告した。 したがって、現在までの進捗状況は、当初の計画どおりであるため「おおむね順調に進展している」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究を国際査読誌に投稿できる水準に引き上げるため、共同研究者とともに研究の改善・発展に取り組む計画である。 具体的には、ポストパンデミックとの比較に重点を置き、データのアップデートや分析手法の精緻化をはじめとする作業を進めていく。
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