研究課題/領域番号 |
23K01656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
大平 修司 武蔵大学, 経済学部, 教授 (70410438)
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研究分担者 |
スタニスロスキー スミレ 東京国際大学, 国際戦略研究所, 教授 (30636840)
水越 康介 東京都立大学, 経営学研究科, 教授 (60404951)
日高 優一郎 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (90550335)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | Public Policy Marketing / Place Branding / Public Sector Branding / 寄付 / 倫理的消費 / 消費 / ふるさと納税 |
研究開始時の研究の概要 |
寄付と消費が同居しているふるさと納税を中心的なリサーチサイトとして,消費行動を通じて消費者はどのように倫理的消費や寄付に繋げるのか,消費者に対する定性的・定量的調 査を通じて明らかにする。消費と寄付が同居する行動を組織はどのように促すことが可能か,ふる さと納税に関わる組織を対象とした事例研究を通じて明らかにする。これらを通じて,非営利・商業マーケティングを体系的に理解する枠組みの構築をめざす。
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研究実績の概要 |
本研究では,寄付と倫理的消費,消費を同時に提供しているふるさと納税を事例とて研究を実施した。特に本年度は,学会報告や論文執筆のためデータ収集の年と位置づけ,多くのふるさと納税事業者にインタビュー調査を実施した。まずはふるさと納税のプラットドーム事業者であり,株式会社トラストバンクが運営するふるさと納税サイトの「ふるさとチョイス」の経営陣に対して,調査を実施し,多くの税金を集めている地方自治体は,独自の地域ブランドを構築して,他の地方自治体と差別化していることが明らかとなった。そのような地方自治体に調査を実施するために,ふるさとチョイスの担当者の中でも,独自性が高いブランドを構築している地方自治体を推薦していただいた。推薦いただいた地方自治体は6自治体であり,今年度はその中の4自治体に対してインタビュー調査を実施した。 調査を実施した事例を理論的に考察すると,公共機関の公共政策としての地域ブランドの構築という点から理解することができる。公共機関のマーケティングは,様々な概念が提示されている。組織に着目した概念としては,Public Sector MarketingやMarketing in Public Sector,Commercial Marketingとの識別を意識した概念として,Public MarketingやPublic Policy Marketingなどが提唱されている。本研究ではさらなるインビュー調査を実施した上で,公共機関のマーケティングに新たな理論を構築できることを意図している。なお,2024年度には山形県西和賀町をケースとした学会報告を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の進捗状況について,理論面と実証面から論じたい。 理論面においては,これまで考えていたNon-Proft MaketingおよびCommercail Marketingに関する先行研究では不十分であることがわかった。そのため,インビュー調査を実施して改めて先行研究を検討した。その結果,Place BrandingやPublic Sector Brandingといった先行研究も検討する必要があることがわかった。現在は,学会報告に向けて,そのような先行研究を検討し,分析枠組みの構築を行っている。 一方,実証面では数多くのインビュー調査を実施することができた。具体的には,4つの自治体とそれに関わるステイクホルダーの方々に調査を実施し,1自治体あたり,4名程度のステイクホルダーに追加的なインタビューを実施した。そのようなインタビュー調査のプロセスでは,ふるさと納税に関わる地域商社の存在を発見することができた。これだけのデータが蓄積したことから,今後はそれらを分析して,アウトプットを出していく段階になったと判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策について,以下の2点をあげることができる。 第一に実証に関わるさらなるデータの蓄積である。まず調査対象の自治体について,ご推薦いただいた自治体は全部で6自治体あり,これまで4自治体について調査を終了している。今後は残りの2自治体について調査を実施していく予定である。次に本研究では,ふるさと納税の実施者である自治体へのインタビュー調査だけでなく,ふるさと納税の利用者にも調査をする予算を申請している。今年度中に実際にふるさと納税を実施している利用者へのグループインタビューおよびデプスインタビューを実施することを予定している。 第二に本研究の成果に関してである。すでに20名近い人たちを対象としたインタビュー調査を実施し終えている。これらデータを使用して,まずはいくつかの学会報告をしていくことを予定している。特にふるさと納税は日本独自の仕組みであることを考えると,日本国内だけでなく,海外で報告も検討する必要がある。その後,学会報告でのコメント等を参考にして,論文の形で最終的なアウトプットを出していることが,最大の今後の研究の推進の目的である。
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