研究課題/領域番号 |
23K01672
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松浦 良行 山口大学, 大学院技術経営研究科, 教授 (70274149)
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研究分担者 |
高橋 雅和 山口大学, 大学院技術経営研究科, 准教授 (20621105)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 統合報告書 / 機械学習 / 特許分析 / イノベーション / ディスクロージャー / 知財戦略 |
研究開始時の研究の概要 |
特許はイノベーションを通じた企業の価値獲得における重要な経営資源である。よって企業の投資家向けディスクロージャーの重要な要素として網羅的かつ体系的な特許情報の開示が求められている。一方、特許情報の開示は技術情報の他者への流出のリスクがあり、企業はこのバランスを取らなくてはいけない。こうした中、企業が特許情報をどのように開示するかを時系列的に検討し、開示内容の予測モデルを構築することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は①制度的特許情報(以下「特許開示」)及び分析手法が存在する中で、知財に関する自発的開示(以下「知財開示」とする)はどのような追加的な情報内容を有するのか、②知財的観点からイノベーションを見たときどのような特徴を有する企業が知財開示を積極的に行うのか、またそれはどのような内容か、③イノベーション行動と知財開示は相互に影響を及ぼすのかという3つの問いに対して分析を行い、イノベーション活動とディスクロージャー活動の相互関係を探索的に明らかにすることを目指している。 本年度は、①の知財開示の独自情報の特定化と、②の知財開示意思決定及びコンテンツ予測ためのデータ整理が中心的な活動であった。 データ収集については、特許による保護の重要性が相対的に高く、開示による技術のスピルオーバーが比較的観測しやすい製薬企業と化学企業を中心に行った。過去の知財報告書及び統合報告書において、これら企業がどのような特許関連情報を提示しているかのリスト化を現在行っている。この際特に重視したのは、これらの報告書における特許戦略や特許ランドスケープなどにかかる定性性的情報の類型化に向けての整理である。これらの情報は、将来の技術開発動向や特許ポートフォリオの変化の全般的なシグナルであり、スピルオーバーによる負の効果が潜在的に大きいと想定されるためである。 同時並行的に、サンプル企業の特許出願・保有状況を企業グループ単位で整理し、契約した特許データベースを利用して経時的に特許価値がどう変化しているかを可視化する準備をした。特許ポートフォリオの価値および経時的な価値の変遷が、上述した定性的情報とどのような関係にあるのかの分析をするためである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究構想時点では大規模言語モデルGPT3の利用を想定していたが、CHatGPTの爆発的普及に代表されるように、本研究採択直前の2023年3月に進化版のGPT4が公表され、より精度の高い機械学習基盤が整備された。それと同時並行して、画像生成AIなどの関連技術の深化も目覚ましく、当初想定していた技術基盤と大きく変化した。 このため、学術的かつ先進的な研究成果を提示するには、機械学習関連の最新研究動向を把握し、利用環境を整備する必要が生じ、そちらに時間を割いた。
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」の項で述べたとおり、利用する技術はアップデートしていくが、全般的な研究方針に大きな変更はない。
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