研究課題/領域番号 |
23K01680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
奈良 沙織 明治大学, 商学部, 専任教授 (40642880)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ディスクロージャー / 業績予想 / 経営者予想 / アナリスト予想 / アナリスト / 統合報告書 / サスティナビリティ情報 / ガバナンス情報 / 非財務情報 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、企業のディスクロージャーが資本市場に及ぼす影響について明らかにすることを目的とする。具体的には(ⅰ)統合報告書が資本市場に与える影響、(ⅱ)ガバナンスが企業のディスクロージャーにもたらす効果、(ⅲ)非財務情報のディスクロージャーとガバナンスがアナリストに与える影響について、実証分析の手法により分析を行う。これにより、企業のディスクロージャーの効果と課題を提示する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、企業のディスクロージャーが資本市場に及ぼす影響について明らかにするものである。初年度である2023年度は、(1)ディスクロージャーとガバナンスに関する研究、(2)サスティナビリティ情報開示に関する書籍の執筆、(3)業績予想に関する研究書の出版の3点において成果を得た。 (1)のディスクロージャーとガバナンスに関する研究では、企業のディスクロージャーのなかでも経営者予想に焦点を当て、経営者予想とガバナンス(具体的には社外取締役比率に言及)の関係について分析を行った。分析の結果、社外取締役比率が高いほど、経営者予想の公表回数が多いことが分かった。一方、経営者予想の精度に関しては、全ての分析において頑健な結果は得られなかったものの、社外取締役比率が高いほど経営者予想の精度が高い傾向があることが明らかになった。 (2)では、サスティナビリティ情報開示に関する書籍の執筆に携わり、統合報告書に関する章の執筆を担当した。執筆を担当した章では、統合報告書の発展の経緯やその効果、日本における現状について述べた他、開示例として日本企業の実際の事例について示し、今後の課題などについても議論した。 (3)の研究書は、これまで研究を行ってきた業績予想やディスクロージャー、アナリストに関する研究をまとめたものである。書籍は第1部から第6部から成り、第1部では制度の説明と先行研究のレビュー、第2部では経営者予想に関する研究、第3部ではアナリストに関する研究を行い、第4部では経営者予想とアナリスト予想の関係について明らかにした。また、第5部では企業行動の変化と業績予想、第6部では近年の制度変化と業績予想についての分析を提示した上で、終章では研究より得られた結果のまとめ、および実務への示唆について述べている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以前より業績予想に関する出版を計画しており、それに関して初年度に出版を実現したことに加え、ディスクロージャー(経営者予想)とガバナンスに関する論文の公表や統合報告書に関する書籍の執筆・公表もできたため。なお、研究計画では(ⅰ)統合報告書が資本市場に与える影響、(ⅱ)ガバナンスが企業のディスクロージャーにもたらす効果、(ⅲ)非財務情報のディスクロージャーとガバナンスがアナリストに与える影響の3点をテーマに挙げている。ディスクロージャーとガバナンスに関する研究と統合報告書に関する書籍の執筆は、(ⅰ)と(ⅱ)に関する研究の一部であり、これを受けて今後はさらに発展的な研究を進めて行く予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、これまでの研究をまとめた研究書を出版しており、今後はそこから明らかになった研究上の課題や未着手の研究テーマについて研究を行う予定である。具体的には、フェアディスクロージャールールに関連する研究や統合報告書を含むサスティナビリティ情報に関する研究を予定している。また、サスティナビリティ情報に関しては、有価証券報告書にサスティナビリティ情報の記載が求められるようになるなど、実務的にも変化の局面を迎えている。こうした制度変化の影響については研究において効果をしっかりと検証していきたい。 なお、研究は概ね計画通りに進捗していることから、大幅な研究計画の変更は考えていない。手法等に関しても変更はなく、データベースよりデータをダウンロードし、エクセルや統計ソフトを用いてデータ分析や統計的な検証を行う。
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