研究課題
基盤研究(C)
個別企業を対象とする事例研究は、詳細な分析が可能となる反面、事例研究全体を包括する全体的評価がなされない場合が多い。仮に全体的評価がなされたとしても、暗黙のうちに現在の状態を完成形とみなし、過去は現在への単なる道程として解釈される傾向にある。また既存研究は、現在の状態への進化を効率性という観点から分析するのが通常である。本研究は、従前の会計史研究とは異なり、同型化概念を援用して個別企業の会計実務を包括的に検討することで、複会計の変化要因を特定し、理論分析を行う点に特徴がある。個別企業は各々独自の特徴を有するが、いわば事例分析を縦糸、理論分析を横糸として組み合わせる研究を構想している。